文系出身で生物を勉強したことがない。
理系だったけど、物理化学専攻だった。
という方で医学部編入試験の受験を検討される方も多いかと思います。
０から生命科学は学べるか不安な方は、是非この記事を読んで安心してもらえたらと思います。
高校生物は必要か？
結論から申し上げると
『全くの無駄ではないが、わざわざ勉強する必要はない』
というのが答えかと思います。
（滋賀医大、高知大、弘前大などの高校生物が出題のメインとなる大学は例外です）。
医学部編入試験の生命科学は
医学部1〜2年生が習う範囲ですので、
一般入試で入学した生物選択ではない医学部生は
当然、高校生物を勉強していない状態で ゼロから生命科学を学んでいます。
この時点で、 ある程度の理解力があれば
高校生物を学んでいなくても生命科学は理解できる。
という風に答えが既に出ています。
なので、よっぽどのご希望がない限り
当塾で高校生物から始めることはございません。
とはいえ、被ってる範囲もあるので
全く意味がないわけではないのですが、
医学部学士編入試験における
高校生物というポジションは
例えるなら 『数学』を学ぶときの
『算数』に似ていて
今から『数学』を習得したいと思った時に
わざわざ『算数』から取り組む方は そんなに多くはないかなと思います。
もちろん、 足し算や掛け算が分からないなど、基本的なことが分からないのであれば話は別ですが
多くの方はそんなことはないかと思います。
算数の教材で鶴亀算や旅人算を学ぶことで
数学が全く伸びないとは思いませんが、
そんなことを知らなくても、 最初からxとy を使って 解けるようになることの方が 合格までは近道です。
『生命科学』と『高校生物』でも
程度は違えど同じようなことが起きていて
ヒトが細胞からできていて、DNAが遺伝情報を持っているという基本的なことくらいを知っていればOKです。
特に、暗記がメインの生命科学は、最初から病気と絡めて
医学部で習う範囲まで取り組んだ方が よっぽど為になりますし、効率的です。
それでも心配な方は『Try it 生物』と YouTubeで検索して頂き
無料の講義動画を簡単に流し見してもらい、高校生物の全体像を 把握する程度で十分かと思います。
わざわざ高校範囲の参考書を
一冊仕上げる必要はない気がします。
植物や進化など、出ない範囲も多いので （※志望校によっては必要です）。
この辺り賛否両論あるので あくまで一般論ですが、石橋叩きたい方や滋賀医、高知、弘前などを志望する方は『高校生物』からもありかと思いますが 基本的には生命科学から始めてOKです。
その場合、 映像授業のTry it をみながら、参考書は「基礎問題精講」を解き進めれば、基礎固めできます。植物分野や難しい参考書は必要ありません。
参考書を解かなくても、動画を流し見するだけで概要は掴めるので、おススメです。
高校化学は必要か？
受験科目として化学があるのであれば当然勉強が必要です。
しかし、化学が科目として出題されないのであれば、特に学習は必要ないと思います。
一応、生命科学でもH＋（プロトン）、グルコースの構造、ヒドロキシ基（-OH）、アミノ基（-NH3）、カルボキシ基（-COOH）などの単語が出てきますが、
出てきた時に丸暗記すれば十分です。
そこまで多くありません。
pHの計算などは生命科学でも出てきますが、
その時にpHの定義や式も扱うので、
化学というよりも生命科学として
この辺りは学習してもらえればと思います。
もし、それでも気になるようであれば
こちらも「Try it 化学」と検索してもらい
一通り理論化学や有機化学の範囲を勉強するくらいで十分かと思います
（化学は理論化学、無機化学、有機化学の3つに大別されます）。
参考書を解く必要はないと考えます。
無機化学は一切対策する必要はありません。
高校数学は必要か？
こちらも、受験科目として数学が出るのであれば当然勉強が必要です。
しかし、そうでなければ生命科学を学ぶ中で高校数学は必要ではありません。
高校数学を対策するくらいであれば、高校化学（理論化学）を学ぶほうがまだ生命科学には活きてきます。
とはいえ、logX＋logY＝logXY となることが分からないとか、常用対数と自然対数と違いが分からない。
などはまずいので、復習が必要です。
特に指数対数は皆さん忘れがちなので
もし全く分からないのであれば、しっかり復習する必要があるかと思います。
教科書レベルで全く構いません。
2x=8 や log5＋logY＝log10 が解ければOKです。
まとめ
高校生物、高校化学、高校数学は生命科学を学ぶうえで、必須ではありません。
必要に応じて、知らない部分を学んでいければ特に苦労することはないかと思います。
高校物理や国語などに関しては一切必要ないので
科目として受験に必要ないのであれば対策は不要です。
医学部に入ってから必要では？
というご質問もよくいただきますが、特に必要ありません。
全く問題なく、医学部の勉強にはついていけるのでご安心ください。