滋賀医科大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。
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人気と倍率
倍率は過去数年間の平均で約20倍であり、医学部編入試験全体平均の19倍とほぼ同じである。
枠が15名と多いことから、毎年300人以上が受験しており、編入試験を実施している大学の中では一番受験者数の多い大学である。年齢にも寛容で、受験者の多い関西圏かつ、外部試験も必要ないことが、人気の原因であろう。
2024年度入試から『数学』が追加され、英語、生命科学、物理、化学、統計、数学と幅広い科目の対策が必要である。編入試験の中で最多の科目数である。
過去問に関しては、学務課窓口で閲覧が可能であるが、コピーなどはできないため、手書きで複製するしか方法がない。あらかじめ予約も必要なようである。詳細はこちらから(当塾の生徒には過去問と解答を合わせて提供している)。
基本情報
【大学名】 | 滋賀医科大学 |
【募集人数】 | 15名 |
【出願時期】 | 8月 |
【筆記試験】 | 9月 |
【面接】 | 10月 |
【推薦書】 | 〇 |
【TOEFL】 | × |
【TOEIC】 | × |
【科目】 | 英語 (100点) 総合問題(生命科学/化学/物理/統計/数学)(200点) |
【その他】 | 小論文Ⅰ(200点) 小論文Ⅱ(100点) 面接 |
【注意事項】 | 2024年度 入試より 数学が追加 |
傾向と対策(第1次試験)
総合問題
年度 | 実施年 | 問題Ⅰ | 問題Ⅱ | 問題Ⅲ | 問題Ⅳ |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 大問に | 分かれ | てない | |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 物理 | 化学 | 生命科学 確率統計 | |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 物理 | 化学 | 生命科学 確率統計 | |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 物理 | 化学 | 生命科学 確率統計 | |
2022 (R4) | 2021 (R3) | 物理 | 化学 | 生命科学 確率統計 | |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 物理 | 化学 | 生命科学 確率統計 | |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 物理 | 化学 | 生命科学 | 確率統計 数学 |
2025 (R7) | 2024 (R6) |
英語
年度 | 実施年 | 問題Ⅰ | 問題Ⅱ | 問題Ⅲ |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 空欄 補充 | 誤文 訂正 | 長文 読解 |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 空欄 補充 | 誤文 訂正 | 長文 読解 |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 空欄 補充 | 誤文 訂正 | 長文 読解 |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 空欄 補充 | 誤文 訂正 | 長文 読解 |
2022 (R4) | 2021 (R3) | 空欄 補充 | 誤文 訂正 | 長文 読解 |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 空欄 補充 | 誤文 訂正 | 長文 読解 |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 空欄 補充 | 誤文 訂正 | 長文 読解 |
2025 (R7) | 2024 (R6) |
1次試験に関しては総合問題、英語共に全て選択肢であり、記述はない。総合問題は例年、物理、化学、生命科学/確率統計であったが、2024年度入試から数学が追加された。150分で40問前後解くこととなるため、時間的な余裕はない。共通テストのような感覚でテキパキと処理する能力が求められる。各科目ごとの対策方法について下記に記す。
【物理の対策】
超基礎『宇宙一わかりやすい高校物理 力学・波動』、『宇宙一わかりやすい高校物理 電磁気・熱・原子』
基礎『物理のエッセンス 力学・波動』『物理のエッセンス 熱・電磁気・原子』
※エッセンスが合わなければ、入門問題精講、基礎問題精講でもよい。
標準『ひとりで学べる秘伝の物理問題集』or『良問の風』
演習『大学入学共通テスト過去問レビュー 物理基礎・物理』
物理に関しては基本的には高校範囲である。大学範囲が出た年もあるが、近年は出題されておらず、仮に出題されても捨ててよい。
【化学の対策】
基礎『化学 入門問題精講』or『化学 基礎問題精講』
標準『化学 標準問題精講』or『実戦 化学重要問題集』
演習『大学入学共通テスト過去問レビュー 化学基礎・化学』
化学に関しても基本的には高校範囲である。大学範囲が出た年もあるが、近年は出題されておらず、仮に出題されても捨ててよい。
【生命科学の対策】
基礎~応用『当塾の参考書』and 『生物基礎問題精講 の発生や進化の範囲』
演習『大学入学共通テスト過去問レビュー 生物基礎・生物』
過去に発生や進化などの出題もあるため、志望度の高い受験生は追加で対策することを勧める。
生命科学に関しては高校範囲と大学範囲が混在しており、2次試験も見据えてしっかりと大学範囲まで対策すること。
【確率統計の対策】
基礎~標準『日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[CBT対応版]』
基礎~標準『初めから学べる 確率統計 キャンパス・ゼミ』
過去に「検定の種類と選択方法」に関しても問われているので、上記の参考書に追加で覚えておくとよい。難易度が高いので捨ててもよいが、こちらの統計サイトなどで、一度まとめて覚えることを勧める。
【数学の対策】
基礎~標準『初めから学べる 大学キャンパス・ゼミ』
まだ、実施開始ばかりで情報が少ない。大学範囲まで出題が及ぶようで、上記のような高校範囲~大学範囲まで網羅している参考書を一冊仕上げておくと安心である。
2024年度は二重積分、Σ、行列、共分散などが、2025年度は偏微分、行列、χ2検定、条件付き確率などが出題されている。範囲が広くなかなか対策がしづらいので、試験時間の都合上満点は狙わず、対策できない範囲は捨てる覚悟が必要かもしれない。
【英語の対策】
単語帳『TOEFLテスト英単語3800』or『公式TOEFL®英単語』
空欄補充/誤文訂正『TOEFL ITPテスト文法問題攻略』or『全問正解するTOEFL ITP TEST文法問題対策』
長文読解『TOEFL ITPテストリーディング問題攻略』or『TOEFL ITP(R)テストリーディングスピードマスター』
英語に関してはTOEFL ITPテストが基に作製されているように思われるので、それらの対策用の参考書を使うことを勧める。
TOEFLには2種類あり、一般的なiBT試験は個人受験用であるのに対して、ITP試験は団体用のTOEFL試験である。混乱しないように注意すること。
基礎的な問題が多いが、時間が足りない。単語力を身に着けることが絶対条件である。文法問題も難しい単語が出題される一般入試の上位私大とは異なり、文法的に解ける問題、単語を知っていれば1発の問題と、平易な内容がきちんと盛り込まれている。
意外にも文法問題が時間がかかるので、長文から取り組む or 文法の演習を多く積んでおくのはよい。長文読解の選択肢の中には固有名詞が多く、該当箇所が発見しやすいので解きやすい印象。
最後に過去問を解くことは言うまでもないが、それらが解き終えて時間がある受験生は、弘前大学、山口大学、高知大学などの形式が似ている大学の過去問も演習に使用してもよいだろう。
傾向と対策(第2次試験)
【小論文Ⅰ】
毎年、大門は2題で構成され時間は90分である。時間的にはかなり厳しい。
図を見て答えるという問題が主流で、①生命科学における実験考察問題と②公衆衛生や疫学に関する問が出題される傾向にある。
故に生命科学系の知識や記述力も十分に必要なため、生命科学は大学範囲まで十分に学習することを勧める。
論文で出題されるような図を読み解く問題も多いので、研究経験があると有利である。
【小論文Ⅱ】
こちらも毎年、大門は2題で構成され時間は90分である。時間的にはかなり厳しい。題材は貧困や地域医療、医療制度、医学教育など多岐にわたる。評論を読んで100~400字程度で記述する問が多い。国語のような試験であり、記述力が求められる試験である。
対策方法としてはかなり難しいが、下記の
①『落とされない小論文』
②『改訂第2版 書き方のコツがよくわかる 医系小論文 頻出テーマ20』
③ 滋賀医科大学を含めた、志望校の小論文の過去問
などを順に対策していくことを勧める。①から順に解き進めるとよい。
上記は一般的な小論文の対策ではあるため、滋賀医科大学の小論文の直接的な対策にはならないかもしれないが、「自分が考えていることを限られた文字数で言語化する」という共通して求められている能力を鍛えることは無駄にはならないだろう。特に、併願校にもよるが小論文の対策はどちらにせよ編入試験の受験生であればしておきたい。
面接
面接官は3名、時間は15分ほどである。
基本的な質問に加え、地域医療やAIなどの本人に関すること以外の質問も多いので、最新の医療ニュースや話題の医療テーマにはアンテナを張っておきたい。
質疑に関しても想定される質問はあらかじめ全て書き出し、声に出して答える練習を繰り返すこと。意外と声に出して対策する受験生は少ないが、言葉にしてみると違和感に気付きやすい。自分がしゃべりやすい表現で試験に望むこと。
過去に実際された質問内容に関して下記に載せる
・自己紹介
・小論文はどうだったか
・なぜ滋賀医科大学か
・なぜいまから医学部か
・臨床か研究か
・その研究は今後どのように医療にいきるか
・何科に興味があるか
・現在どのような仕事をしているか
・将来のキャリアプランについて
・これから医師として具体的にやりたいこと、プランは
・それをするにあたって自分の背景をどのように活かすか
・あなたの強みや、医師として活かせることは
・これまで対人関係で苦労したことはあるか、それをどう解決したか
・編入試験は、医師はいつから志しているか
・併願校と結果について、他に合格したらどうするか
・家族には受験することを相談しているか、協力的か
・一般入試は考えなかったか
・学士編入という制度をどのように考えているか
・現役生にどのような影響を与えられるか
・滋賀の医療問題はなにか
・それらを解決するためにはどうすればよいか
・AIの発展に伴い、医師の働き方はどうなるか
・働き方改革についてどう思うか
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