筑波大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。
過去問の解答もこちらから販売しております。
人気と倍率
倍率は過去数年間の平均で約23倍であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、高い傾向にある。
これは大学在学中であっても受験できる大学であり、TOEICやTOFLEのような外部試験や推薦書が必要ないことも影響していると考えられる(TOEIC、TOFLEのスコアは提出はできるが必須ではない)。また、年齢の影響も少ないと考えられており、再受験との相性がよい点も人気の要因と考えられる。
再受験と併願する場合は、数学と生命科学は大学範囲まで対策する必要がある。
年齢に関してはほぼほぼ不問と考えてよく、編入試験というよりは、一般入試に近い印象。
過去問に関してはこちらから閲覧可能なので、受験を考えている方は一度目を通すことを勧める。(当塾の生徒には過去6~7年の試験問題を解答解説と共に無料で提供しています)。
基本情報
【大学名】 | 筑波大学 |
【募集人数】 | 5名 |
【出願時期】 | 6月 |
【筆記試験】 | 7月 |
【面接】 | 7月(筆記の翌日) |
【推薦書】 | × |
【TOEFL】 | × |
【TOEIC】 | × |
【科目】 | 学力試験Ⅰ(英語・大学数学) 学力試験Ⅱ(化学・生命科学) |
【その他】 | 面接 |
【注意事項】 | TOEIC/TOFLE 提出可 大学2年生で受験可 研究業績提出(一部該当者) |
傾向と対策(学力試験Ⅰ)
学力試験Ⅰ(英語)
英語は毎年2題の出題。編入試験には珍しく記述がほぼない。穴埋めや正誤問題、並び替えなどの問題が目立つ。基本的には選択肢なので、記述の対策は必要ないと思われる。その代わり、文法(並び替えや穴埋めなど)の対策はしておきたい。
出典としてはここ数年、Nature MedicineやNature、Scienceなどの自然科学系の文章と、海外の医学生が読むような書物?となっている。
前者の自然科学系の文章に関しては、割と最新のトピックが出題されるため、題材が当てやすく、対策もしやすい。背景知識があれば、文章自体も比較的読みやすいように思われる。後者に関しては年によって非常に抽象度が高い文章があり、倫理的な難しい文章も含むため、対策がしづらい。出典の予想はできないため、NEJMなどの語彙力の高く、臨床系の文章が代わりの対策となる。
令和4年度出典の『Narrative Medicine: Honoring the Stories of Illness.』や令和5年度出典の『The Private Lives and Professional Identity of Medical Students.』を大きな図書館などで借りて読んでみるのも一つの手である。
(当塾の塾生にはこれらの雑誌のどの時期のどの分野が出題されやすいかまでピックアップして読んでもらっています。こうすることで本番で読んだことのある文章が当たる確率が格段に上がります。)
学力試験Ⅰ(数学)
年度 | 実施年 | 問題Ⅰ | 問題2 | 問題3 |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 微分積分 | 線形代数 | 確率統計 |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 微分積分 | 線形代数 | 確率統計 |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 微分積分 | 線形代数 | 確率統計 |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 微分積分 | 線形代数 | 確率統計 |
2022 (R4) | 2021 (R3) | 微分積分 | 線形代数 | 確率統計 |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 微分積分 | 線形代数 | 確率統計 |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 微分積分 | 線形代数 | 確率統計 |
2025 (R7) | 2024 (R6) | 線形代数 | 確率統計 | 微分積分 |
例年、大門は3題。大学範囲の数学(微分積分、線形代数、確率統計)が出題される。物理などで使用することもあるが、「数学」という科目が独立してあり、微分積分、線形代数が出題されるのは、編入試験の中では筑波が唯一であろう。
対策は下記の3冊を勧める。
『初めから学べる 微分積分 キャンパス・ゼミ』
『初めから学べる 線形代数 キャンパス・ゼミ』
『初めから学べる 確率統計 キャンパス・ゼミ』
高校範囲であっても解ける問題も散見されるが、上記の参考書であれば、高校範囲~大学基礎の範囲まで一冊で完成させられる。
難易度自体は大学数学の基礎的な内容であり、対策をしておけば十分に点数は取れる。一方で数学という科目の特性上、対策をしていなければ手も足もでない。特に、微分積分と線形代数に関しては、しっかりと上記の参考書を仕上げることを勧める。確率統計に関しては、高校数学を理解しておけば、最悪何とかなる場合も多い。
大学範囲の数学まで履修している受験生は少ないと考えられるが、筑波大学を受験するのであれば対策は必須であるので注意してもらいたい。
上記の参考書のほかに『単位が取れるシリーズ』などの基礎的な参考書もおススメである。
傾向と対策(学力試験Ⅱ)
学力試験Ⅱ(化学)
年度 | 実施年 | 問題Ⅰ | 問題2 | 問題3 |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 無機化学 | 理論化学 | 有機化学 |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 無機化学 | 理論化学 | 有機化学 |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 無機化学 | 理論化学 | 有機化学 |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 無機化学 | 理論化学 | 有機化学 |
2022 (R4) | 2021 (R3) | 無機化学 | 理論化学 | 有機化学 |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 無機化学 | 理論化学 | 有機化学 |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 無機化学 | 理論化学 | 有機化学 |
2025 (R7) | 2024 (R6) | 無機化学 | 理論化学 | 有機化学 |
例年、大門は3題。概ね高校化学(無機、理論、有機)からの出題であるので、大学受験用の高校化学の参考書がおススメである。
化学の初学者であれば『化学 入門問題精講』、『化学 基礎問題精講』あたりから
化学を大学受験で使用した方であれば『化学 標準問題精講』、『実戦 化学重要問題集』などがおススメになる。
これ以上の難しい参考書は必要ない。編入試験に共通して言えることだが、典型的な問題をどれだけ落とさず取れるかが合否を分ける。
2024年度までは時に、大学範囲?のような一見、見慣れない難しい問題も存在したが、リード文に沿って解答すれば高校化学の知識で問題なく対応できた。それでも解けないような問題は受験生全員が解けないので、本番では早急に見切りをつけることをおススメしており、大学範囲の化学までを対策する必要はないと考えていた。
しかし、2025年度入試においては全て大学範囲の出題となったため、今後の傾向は非常に不透明となっている。余力がある受験生は大学範囲の化学まで取り組んでもよいだろう。
学力試験Ⅱ(生命科学)
年度 | 実施年 | 問題Ⅰ | 問題2 | 問題3 |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 分子細胞生物学 統計学 | 分子細胞生物学 生化学 | 生理学 |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 遺伝学 分子細胞生物学 | 分子細胞生物学 | 生理学 |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 遺伝学 | 分子細胞生物学 | 生理学 |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 分子細胞生物学 | 免疫学 | 生理学 |
2022 (R4) | 2021 (R3) | 生理学 | 生理学 | 分子細胞生物学 免疫学 |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 遺伝学 生理学 | 分子細胞生物学 | 分子細胞生物学 生理学 |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 分子細胞生物学 | 分子細胞生物学 | 分子細胞生物学 |
2025 (R7) | 2024 (R6) | 分子細胞生物学 生理学 | 生化学 遺伝学 | 分子細胞生物学 生理学 |
例年、大門は3題。見慣れない問題が並ぶため、受験生にとっては少し解きにくい問題が多いように思われる。
分子細胞生物学の中でも、図やグラフを読み解く考察系の問題が出題されるため、そのあたりの対策は必須である。
よく読めばそこまで難しくない問題もあるので、見かけない問題であってもしっかりと問題文やグラフを読みとき、答えを導き出す能力が肝心である。
また、mRNAワクチンやPCRなどコロナ関連(最新のトピック)の出題も目立つ。ノーベル賞や、話題となったニュースなどはアンテナを張っておくとよい。全体を通して、当塾や大手予備校の教材をしっかりと勉強していれば、十分である(当塾の教材の購入はこちらから)。
面接
試験官は例年2名、時間は10~15分と一般的である。
筆記の翌日とのことで対策が難しいが、質問も極めて平凡であるので、あらかじめ用意しておきたい。
・なぜ医学部か
・なぜ編入か
・なぜ高校時代に目指さなかったのか
・なぜ筑波大学か、筑波大学でやりたいことはあるか
・再受験は考えているか
・将来志望する科はあるか
・臨床か研究か
・その科でどのような医師になりたいか
・これまでの専門をどう活かすか
・一般入試で入学する生徒とはどう違うか
・強みや弱み
他の大学と比べ、筑波大学に特徴的な質問はあまり見かけないので、筆記での勝負になると考えられる。
面接対策
筑波大学に特化したオンライン面接対策はこちらから。
今だけ特別価格30分1000円で実施しております。