医学部学士編入試験では、通常の一般入試における偏差値とは相関しないこと多々あります。
本記事では医学部学士編入試験の大学別の難易度や科目数について解説したいと思います。
志望校選びの一助になれば幸いです。
編入試験の難易度
結論から申し上げますと、医学部学士編入試験で大学別に難易度を設定するのは非常に難しいです。
例えば、一般入試で大阪大学に合格する受験生は、特に対策をしなくても弘前大学にもなんなく合格するかと思います。
しかし、編入試験では、大阪大学に合格する受験生であっても、弘前大学をしっかり対策しなければ合格できません。
なぜなら、求められる科目や範囲が全く異なるからです。
編入試験において、大阪大学は大学範囲の物理化学が出題範囲ですが、数学は課されません。
一方、弘前大学は高校範囲の物理化学と数学が課されます。
大学範囲の物理化学ができても、高校範囲が解けるわけではないので、科目的な観点で互換性がないのです。
もちろん、高校範囲の方が大学範囲よりも対策が容易なので、弘前大学の方が客観的にみて難易度は低いと思います。
ですが、一概に難しい大学を目指していれば自然とどこでも受かるわけではないのが編入試験の難しいところかと思います。
当塾では、下記のように出題範囲や科目、強みによって併願校として相性のよい志望校を下記のように分類しています。
まずは、大まかな傾向を知ってもらえればと思います。
- 大阪大学型：大阪大学、北海道大学、浜松医科大学、香川大学、（筑波大学）
- ４科目大学型：筑波大学、香川大学、浜松医科大学、島根大学、（北海道大学）、（愛媛大学）
- ４科目高校型：弘前大学、福井大学、滋賀医科大学、山口大学、愛媛大学、鹿児島大学、（高知大学）、（筑波大学）、（大分大学）
- ２科目型：秋田大学、長崎大学、金沢大学、旭川医科大学、琉球大学、（福井大学）、（大分大学）、（鹿児島大学）
- 研究業績型：名古屋大学、神戸大学、（高知大学）
- 帰国子女型：岡山大学、富山大学、東京医科歯科大学
- 大学生型：群馬大学、大分大学、筑波大学、奈良県立医科大学、（高知大学）
- 地域枠利用型：島根大学、鳥取大学、群馬大学、金沢大学、山口大学
一般入試の難易度
繰り返しになりますが、編入試験における難易度は科目と経歴に大きく左右されるため、一概には言えません。
とはいえ、一般入試と難易度が比例する部分も少なからずあるので、志望校を決めるうえで、多少は考慮してもよいかと思います。
（図の一般入試の難易度は、主に偏差値をもとに作製しています）。
一般入試で偏差値が高いところは、ネームバリューの観点から編入試験でも人気になりがちなので注意が必要です。
やはり大阪大学や医科歯科大学には、旧帝大卒や海外大卒のトップレベルの受験生が出願しがちです。
医学部の歴史
医学部の歴史というのは、ほぼ医学部の持つ権力だと思ってください。
歴史が長い医学部ほど、その地域で持つ権力は大きいです。
歴史が長い順に、旧帝国大学 → 旧制六医科大学 → 新制八医科大学 → 旧設医科大学 → 新設医科大学 といった大学群となります。
将来的に医局に属し、教授までなりたいのであれば
出身大学が少なからず影響してきますし、
マッチング（就活）のタイミングでも
出身大学は重要となります。
将来的に働きたい地域で一番歴史の長い医学部に入ると、マッチングの時に有利に働く可能性があるので、志望校選択の際に、考慮するとよいでしょう。
当然ですが、歴史が長ければ長い大学ほど、目指す価値は高く、上位層が受験するかと思います。
この辺りも志望校を決めるうえで参考にしてみてください。
編入試験における科目数
次に科目数を見ていきたいと思います。
一般入試と異なり、医学部編入試験の科目数は大学ごとで非常に変わります。
医科歯科大学、神戸大学、富山大学などは実質、英語１科目（多少の統計や生命科学の知識）ですが、
滋賀医科大学、山口大学、高知大学などでは、英語、生命科学、物理、化学、数学、など5科目以上課される場合があります。
直観的に、科目数が多い方が難易度は上がると思いきや、実際はそうとは限らないのが編入試験です。
科目数が少ない大学は、その分、倍率が上がりますし、英語1科目などであれば、帰国子女がライバルとなります。
つまり、科目数が減れば減るほど、ライバルが多く、強いのです。
合格者の枠が少ない分、強いライバルがいないところを選ぶのも合格を勝ち取るためには重要な作戦となってきます。
ご自身の得意科目と強みに合わせて、適切な志望校を決めてみてください。具体的な科目に関してはこちらの大学別対策ページをご覧ください。
倍率と志願者数
大学ごとの倍率と志願者数も大学の難易度を決めるうえで重要になってきます。
こちらのコラム「志願者数と倍率は？」でこの辺りの数値を各大学でまとめていますので是非参考にしてください。
最後に
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