群馬大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。
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人気と倍率
倍率は過去数年間の平均で約16.7倍であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、低い傾向にある。
これは募集人数が15名と極めて多く、下記の出願要件によって、ほぼ理系大学卒が必須のような条件になっているからであると考えられる。(理系であっても受験できない可能性もあるので単位照会はしっかり実施することを勧める)。
出願要件
『自然科学科目については、以下に記す科目・単位数のすべてを含むこととする。
・生物学(進化又は系統発生を含む)を2単位以上
・物理学・化学に相当する科目のいずれかを2単位以上
・物理学演習・化学演習・生物学演習に相当する演習科目を合計1単位以上
・物理学実験・化学実験・生物学実験に相当する実験科目を合計1単位以上』
大学を卒業していなくても2年以上在籍していれば、受験できる大学であるにも関わらず、以上のような出願要件によって、受験が制限されている。
理系科目の単位を取得しているという前提からなのか、編入試験において自然科学科目を課さない非常に珍しい大学であり、近年の傾向は小論文Ⅰは『国語』、小論文Ⅱは『英語』の試験となっている。(5年以上遡ると、高校物理化学や生命科学の知識を問われるような問も散見されたが、近年は見かけない)。
年齢に関しては様々な噂があるが、過去に30代の合格者は出ているので、少なくとも30代前半の受験生であれば特に気にする必要はないと思われる。
過去問に関しては過去1年分こちらから閲覧可能なので、受験を考えている方は一度目を通すことを勧める。(当塾の生徒には過去6~7年の試験問題を解答と共に無料で提供しています)。
2025年度入試から地域医療枠が復活し、募集人数15名のうち、3名を地域枠にすると発表されているので注意が必要である。詳細はこちらから。
基本情報
【大学名】 | 群馬大学 |
【募集人数】 | 15名(うち地域枠3名) |
【出願時期】 | 7月 |
【筆記試験】 | 9月 |
【面接】 | 10月 |
【推薦書】 | 〇 |
【TOEFL】 | × |
【TOEIC】 | × |
【科目】 | 小論文Ⅰ、小論文Ⅱ |
【その他】 | 面接 |
【注意事項】 | 理系単位必須 大学2年生で受験可 小論文Ⅰは近年国語 2025年度から地域枠が復活 |
傾向と対策
小論文Ⅰ(近年は国語)
年度 | 実施年 | 問1 | |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 美馬達哉 著、『快感脳・暴力脳・社会ーブレインマシンインターフェースの余白に』 (苧坂直行編 『道徳の神経科学』 新曜社 (2012) 所収) | 評論 |
2019 (H31) | 2018 (H30) | セス・C・カリッチマン 著、野中香方子 訳、『エイズを弄ぶ人々』 化学同人(2011) | 評論 |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 小山幸子 著、『匂いによるコミュニケーションの世界一匂いの動物行動学一』 フレグランスジャーナル社(2018) | 評論 |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 宮川健郎 著『物語もっと深読み教室』 岩波ジュニア新書(2013) | 小説 |
2022 (R4) | 2021 (R3) | イーディス・パールマン 著、古屋美登里 訳、『双眼鏡からの眺め』 早川書房(2013) | 小説 |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 小川昌宣著,『最近の出生前診断の変化と多様化する倫理的課題』 小児耳鼻咽喉科(2019) | 評論 |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 大竹文雄・平井啓編 箸、『医療現場の行動経済学』 東洋経済新報社(2018) | 評論 |
令和2年度入試までは、簡単な生命科学の知識も問われていたが、近年はほぼ国語の試験といって過言ではない。文章中にがん、常染色体潜性(劣性)遺伝性疾患、ダウン症、エイズなど疾患名は出てくるものの、群馬大学の1次試験のためだけに生命科学を1から勉強する必要はない。
(しかし、面接において生命科学系の知識が問われる場合があるので、そこまで見越して対策をしておくのはおススメである)。
問は下記のようなものがある。
「本文の内容をもとに、300字以内でまとめなさい」
「経過と問題点を要約し、あなたの考えを600字以内で説明しなさい」
「本文中の言葉を用いて、180字以内で説明しなさい」
「下線部の行動はどうしてか、あたながそう解釈したした根拠と共に述べなさい」
「なぜこのタイトルとなっているかあなたが考えることを書きなさい」
「登場人物の胸中を想像して書きなさい」
小説も評論もどちらも出題される可能性があるため、とにかく対策がしづらい。正直、小論文Ⅰの対策に時間をかけない受験生も多く存在するのが現状である。少なくとも、数百字程度の記述が求められるので、他の大学で小論文が出題されるのであれば、そちらの対策をする方が無難である。結果として、それらが群馬大学の対策にもなるだろう。
小論文の対策は
①『落とされない小論文』
②『改訂第2版 書き方のコツがよくわかる 医系小論文 頻出テーマ20』
③ 群馬大学を含めた、志望校の小論文の過去問
などを順に対策していくことを勧める。①から順に解き進めるとよい。
群馬大学が第一志望、再受験との併願で国語力を上げておきたいなど、特別な場合のみ下記のような参考書をお勧めする。
共通テストレベル
①『田村のやさしく語る現代文』、『新・現代文レベル別問題集 1超基礎編』
②『船口のゼロから読み解く最強現代文』、『入試現代文へのアクセス (基本編)』
③『きめる!共通テスト 現代文 改訂版』、『新・現代文レベル別問題集 2初級編』
国公立レベル
④『現代文読解力の開発講座〈新装版〉』、『船口の最強の現代文記述トレーニング』、『国公立標準問題集CanPass現代文』
⑤ 『〔国公立大〕医学部医学科 総合型選抜・学校推薦型選抜』(英語と小論文のみ実施)
⑥ 群馬大学を含めた、志望校の過去問
国語の場合、参考書1冊あたりにそこまで時間を要しないので全てやってもらいたい。とはいえ、やはり群馬大学のためだけに国語を対策するのはコストパフォーマンスが悪い点は否めない。
小論文Ⅱ(英語)
例年、大門は1題のみで、そこまで文量の多い試験ではない。
令和3年度までは小問が10個以上あったが、令和4年度から小問が半分程度となり、その代わり『100~400字程度で説明しなさい or 書きなさい』といった問に変更され、より記述力が求められている。
ここまで見ても分かる通り、群馬大学は傾向が頻繁に変わり、非常に対策がしづらい。上記がいつ変更になるかもわからないので、運の要素が大きい大学であることは念頭に置いておきたい。
出典はNatureやNEJM、JAMAなどの科学誌や医学誌などが多い。対策としては、単語帳や英文法などを勉強するのではなく、これらの雑誌の記事を読み、内容を理解できるようにするのがおススメである。
(当塾の塾生にはこれらの雑誌のどの時期のどの分野が出題されやすいかまでピックアップして読んでもらっています。こうすることで本番で読んだことのある文章が当たる確率が格段に上がります。)
TOEIC 600点に届かないような場合は、基本的な単語や文法、構文などを復習する必要もあるが、それ以上のスコアをとれている方は、NatureやNEJMなどの英文から読み始めてよいだろう。
ちなみに、NEJMは非常に語彙が難解であるので、読む順番としては、Nature & JAMA → NEJMを勧める。どの雑誌に関しても政治や経済など、医学と直接関係のない文章はスキップしてよい、読む文章は適宜選択してもらいたい。
勉強方法としては
1. 文章の中で出会った分からない英単語は意味と共にストックしておき定期的に見直す。
2. 音読をしっかり実施し、できれば日本語を介在させないまで理解できるよう読み込む。
3. 1つの記事を300~400字程度の日本語に要約する。
上記3点が非常にお勧めである。
『英語』ではなく、あくまで『小論文』のテストということで、小論文Ⅰ同様に「数百字で記載しなさい」といった問が多い。とはいえ、日ごろから読んだ英文を300~400字程度の日本語に要約する習慣をつけておけば、別途、他の参考書などを進める必要はないだろう。
面接
2022年度入試までは集団面接が存在したが、2023年度入試からは廃止されており、個別面接のみとなっている。その代わり5分程度時間が伸び、試験官も増えたようである。
試験官は例年(3~)5名、時間は(15~)20分と一般的である。
6つほどの部屋が用意されているようで、部屋によって面接官が異なり、質問も異なるようである。
群馬大学の志望動機、なぜ医師になる必要があるかなどの基本的な質問を対策するのは大前提として、特徴的な質問をいくつかピックアップする。
・AIが発達するなかでどのような医師を目指すか。
・今までの人生の中で大切にしている信念や価値観はなにか。
・ゲノムと遺伝子、染色体の違いは。
・抗体を産生する細胞は
・医師の働き方改革についてどう思うか
・大学の経験の中で自慢できるアピールポイント
・脳梗塞やアルツハイマー病の機序や治療法は知っているか
・反面教師にしたい医師はいるか
・ウイルスと細菌の違いはなにか
・フィラデルフィア染色体とは
・ヒトパピローマウイルスの高リスクと低リスクに関して、男女差に関して
以上のような生命科学系や、最近の医療に関する話題は問われているので注意が必要である。故に、日ごろから医療系のニュースには特にアンテナを張り、時事問題の対策はしておくこと。また、生命科学も余力があれば取り組みたい。
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