金沢大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。
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人気と倍率
倍率は過去数年間の平均で約18倍であり、医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、同程度である。
しかし、ここ数年は10倍前後に落ち着いている。
これは近年、募集人数5名のうち、一般枠1名、基礎研究枠1名、地域枠3名と過半数が地域枠となったことが原因と思われる。
1名の一般枠を避ける受験生が多く、ここ数年の倍率が低下しているのであろう。TOEICでは受験できず、TOEFLが必要な点や推薦書が必要な点も倍率低下に大きく影響していると考えられる。
そのため、1次試験の書類選考で倍率の約10倍(50名)程度まで絞る旨の記載があるが、ここ数年は志願者自体が50名程度であるため、基本的には全員合格で、1次試験がほぼ機能していないのが現状と思われる。
また、2次の筆記試験に関しては、近年難易度が非常に難化しており、研究経験がないとまず回答できない問題が多い。
そのあたりを踏まえて、受験するかどうかは決めてもらいたい。
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基本情報
【大学名】 | 金沢大学 |
【募集人数】 | 5名 |
【出願時期】 | 8月 |
【筆記試験】 | 9月 |
【面接】 | 10月 |
【推薦書】 | 〇 |
【TOEFL】 | 〇 |
【TOEIC】 | × |
【科目】 | 生命科学 |
【その他】 | 面接 |
【注意事項】 | 1次試験 書類選考 一般枠1名 研究枠1名 地域枠3名 |
傾向と対策
生命科学
年度 | 実施年 | 問題Ⅰ | 問題Ⅱ | 問題Ⅲ | 問題Ⅳ | 問題Ⅴ | 問題Ⅵ |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 生化学 | 分子細胞生物学 | 分子細胞生物学 (実験考察) | 生理学 | 生理学 | 分子細胞生物学 (実験考察) |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 分子細胞生物学 免疫学 生理学 | 分子細胞生物学 (実験考察) 免疫学 | 分子細胞生物学 | 分子細胞生物学 (がん細胞生物学) | ||
2020 (R2) | 2019 (H31) | 免疫学 | 分子細胞生物学 (実験考察) 公衆衛生 | 分子細胞生物学 (実験考察) 生理学 | 分子細胞生物学 (実験考察) 生理学 | ||
2021 (R3) | 2020 (R2) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 免疫学 | 分子細胞生物学 (幹細胞生物学) | 分子細胞生物学 (微生物学) 免疫学 | ||
2022 (R4) | 2021 (R3) | 分子細胞生物学 (幹細胞生物学) | 分子細胞生物学 (微生物学) 免疫学 | 免疫学 | 生理学 | 分子細胞生物学 | 分子細胞生物学 |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 発生生物学 | 分子細胞生物学 (実験考察) | 分子細胞生物学 (実験考察) (微生物学) | ||
2024 (R6) | 2023 (R5) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 分子細胞生物学 免疫学 | 免疫学 | ||
2025 (R7) | 2024 (R6) | 統計 | 分子細胞生物学 | ノーベル賞 | 分子細胞生物学 (実験考察) |
大問は4問か6問と安定せず、選択肢の問題が出る年もあれば、全て記述の年もある。
ここ数年、極めて難化しており、生命科学単体でみると編入試験実施大学の中でトップクラスの難易度であろう。
年にもよるが、4割~5程度得点できれば、通過するように思える。
他の大学と比較すると、『幹細胞生物学』『免疫学』『実験考察』『微生物学』の4つの出題が目立ち、これらの重点的な対策は必須である。
とくに『実験考察』に関しては、出題数が多いにも関わらず、日ごろから研究をしており、実験系の原理まで把握していないと取り組みにくい問題も多いため、合否を分ける可能性が非常に高い。
『実験考察』問題の対策に関しては、市販の参考書での独学はお勧めできないので予備校の教材を利用することを強く勧める。(というより、実験考察問題の対策ができる市販の参考書は現状存在しないように思える)。
問題の性質上、受験生によっては何年チャレンジしても合格できないような大学であるので、しっかりと過去問を見て受験をするかどうか決めてもらいたい。一般枠も1名ということで、第1志望とするような大学ではない。
次に出題の多い『免疫学』に関しても、CAR-T細胞などの最新トピックかつ難解な問題が出題されており、一般的な市販の参考書での対策はなかなか難しい。
とはいえ、独学で進める場合は『休み時間の免疫学』などの参考書を一冊仕上げ、これで分からない問題は当日捨て問と判断してもよいように思える。(当塾の免疫のテキストでは過去に出題されたCAR-T細胞、CTLA-4抗体、CD40などの免疫の細かい知識まで問題とセットで載せております。)
最後に、令和5年度入試に1度『発生生物学』が出題されているが、高校生物の範囲を大きく逸脱しており、いわゆる捨て問である。
医学部で学ぶ『ヒトの発生』を学習するのは、費用対効果が薄いのであまりお勧めできない。
過去問分析も一人で実施してしまうと誤った対策をしてしまう可能性があるので、医学部学士編入や医学部での講義に精通するものと一緒に取るべき範囲と捨てるべき範囲を見極めながら対策を勧めること。
令和6年度入試に関しては、非常に難解なシグナル伝達の問題が、令和7年度入試に関しては突然、統計の問題が出題されたりと
とにかく、傾向が読めない大学なので、受験校にする方はよく検討してもらいたい。
例外的に、実験関連の問題が多いので、生物系の研究経験のある方にはおすすめしたい大学である。
面接
集団面接と個人面接の2回が行われる。集団面接は15~25分程度、個人面接が10分強である。面接官は3~5名である。
【集団面接】
題材に関しては下記のようなものが過去に出題されている。受験する「枠」で題材は変わらない。
・医師の偏在化を解消するため、国、地方自治体、医療機関、医師の立場での課題と解決策を述べよ。
・高額治療薬のレカネマブの保険適用の是非について
・コロナ収束に向けてどのような対策が必要か
A4用紙と鉛筆と考察のための資料が与えられ、資料をもとにグループディスカッションを進める。
集団面接は、一人で話し過ぎてもよくないし、全く発言しないのも当然よくない。自分が話し過ぎてると感じたら、他の人に話を振る。発言してない時間も他人の話をよく聞く姿勢でいる。自分があまり発言していないと感じたら、勇気を振り絞って発言する。これらを意識しておきたい。
発言する際は基本的に『理由も添えて』発言すること。自分はこう思うと単に伝えるのではなく、○○であるから、こう思う。というのが優秀な人間の議論の進め方である。
【個人面接】
10分程度と短いが、基本的な質問に加え、かなり深堀がされるようである。当然、なぜ医学部か、なぜ金沢大学かなどの基本的な質問に関しては、スラスラ答えられるようにしてもらいたい。3人の面接官のうち圧迫気味の面接官が1名はいるようである。
・自己紹介と志望動機(経歴含め)1分間
・自己PR
・どのような性格で、困難に対してどのように対処するか
・金沢大志望理由
・その研究は別の大学でもできるのでは
・研究内容、職務内容について
・研究で工夫したこと、仕事で工夫したこと
・研究実績について仕事の実績について
・研究を具体的にどう活かせるか、臨床に活かすためのビジョンを
・挫折経験とその解決方法
・他人に誇れる実績
・なぜ医師なのか、他の職種ではできないのか
・人間関係のこと、トラブルの対処法
・石川の震災でどのような感染症対策が必要か
・今の職種で他のヒトと比べて何がすぐれているのか
・なぜあなたを採用しないといけないのか
・仕事の経験はどのように臨床にいかせるのか
・なぜ研究職につかなかったのか
・石川に残るのか
・石川の医療課題は
・能登で足りない医療は
・コロナの感染症対策について
・AIと医療のこと
・どの研究室に所属したいのか、研究内容を理解してるのか
・臨床と研究の両立は大変だが
・○○のエピソードを教えて(リーダーシップ・協調性等)
・好きなことはなにか、それはいつから続けているか
・研究と臨床はどちらを考えているか、両立できるか
・今までの専攻をどのように今後に活かすか
・入学後や卒業後の具体的なビジョンは
・人と対立した時の対処はどのようにするか
・今の時代に求められる医師像
・学生のうちにやりたいこと
面接対策
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集団面接に関しては実施しておりませんので、あらかじめご了承ください。