東京科学大学(東京医科歯科大学) 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。

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人気と倍率

倍率は過去数年間の平均で約10倍であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、低い傾向にある。

これはTOFLE80点以上という出願要件が大きく影響していると考えられる。
TOFLEに関しては過去に80点台の受験生も多く合格していることから、極めて高い点数が必須というわけではないようである。

年齢に関しては様々な噂があるが、過去に30代の最終合格者、40代の1次試験合格者はでている。
とはいえ、面接点が筆記試験より配点が大きいので年齢が心配な方は受験をお勧めしない。

過去問に関しては過去数年分送付してもらえる。方法はこちらから。
(当塾の生徒には過去6~7年の試験問題を提供しております)。

基本情報

【大学名】東京科学大学
【募集人数】5名
【出願時期】5月
【筆記試験】6月
【面接】7月
【推薦書】
【TOEFL】80点
【TOEIC】×
【科目】英語
【その他】面接
【注意事項】研究課題
提出

傾向と対策

自然科学総合問題(英語)

年度実施年問1問2
2018
(H30)
2017
(H29)
CABG at 50 (or 107?) - The Complex Course of Therapeutic Innovation
N Engl J Med. 2017 May 11;376(19):1809-1811.
Dog DNA probed for clues to human psychiatric ills
Nature. 2016 Jan 28;529(7587):446-7.
2019
(H31)
2018
(H30)
Are We Prepared for Nuclear Terrorism?
N Engl J Med. 2018 Jun 21;378(25):2448-9.
A Neural Circuit for the Suppression of Pain by a Competing Need State
Cell. 2018 Mar 22;173(1):140-152.e15.
2020
(R2)
2019
(H31)
Intron RNA sequences promote cell survival
Nature. 2019 Jan; 565(7741): 578–579.
Effect of radiotherapy after breast-conserving surgery on 10-year recurrence and 15-year breast cancer death: meta-analysis of individual patient data for 10,801 women in 17 randomised trials
Lancet. 2011 Nov 12;378(9804):1707-16.


Lumpectomy plus tamoxifen with or without irradiation in women age 70 years or older with early breast cancer: long-term follow-up of CALGB 9343
J Clin Oncol. 2013 Jul 1;31(19):2382-7.


Breast-conserving surgery with or without irradiation in women aged 65 years or older with early breast cancer (PRIME II): a randomised controlled trial
Lancet Oncol. 2015 Mar;16(3):266-73.


Tamoxifen with radiotherapy compared with Tamoxifen alone in elderly women with early-stage breast cancer treated with breast conserving surgery: A systematic review and meta-analysis
Radiother Oncol. 2017 Apr;123(1):1-9.


The benefit of adjuvant radiotherapy after breast conserving surgery in older patients with low risk breast cancer- a meta-analysis of randomized trials
adiat Oncol. 2017 Mar 23;12(1):60.
2021
(R3)
2020
(R2)
Mercury exposure and premature mortality in the Grassy Narrows First Nation community: a retrospective longitudinal study
Lancet Planet Health. 2020 Apr;4(4):e141-e148.
A Detailed Review Study on Potential Effects of Microplastics and Additives of Concern on Human Health
Int J Environ Res Public Health. 2020 Feb 13;17(4):1212.


Environmental exposure to microplastics: An overview on possible human health effects
Sci Total Environ. 2020 Feb 1:702:134455.
2022
(R4)
2021
(R3)
Dysregulated Expression of the Nuclear Exosome Targeting Complex Component Rbm7 in Nonhematopoietic Cells Licenses the Development of Fibrosis
Immunity. 2020 Mar 17;52(3):542-556.e13.
Assessing the Gold Standard--Lessons from the History of RCTs
N Engl J Med. 2016 Jun 2;374(22):2175-81.
2023
(R5)
2022
(R4)
Stomach cancer gets a triple punch of therapy
Nature. 2021 Dec;600(7890):608-609.
Is a "Cytokine Storm" Relevant to COVID-19?
JAMA Intern Med. 2020 Sep 1;180(9):1152-1154.
2024
(R6)
2023
(R5)
Lessons from the host defences of bats, a unique viral reservoir.
Nature. 2021 Jan;589(7842):363-370.
Extracorporeal Cardiopulmonary Resuscitation for Cardiac Arrest.
JAMA. 2023 May 16;329(19):1693-1694.
2025
(R7)
2024
(R6)
Social histories of public health misinformation and infodemics: case studies of four pandemics
Lancet Infect Dis. 2024 Apr 19:S1473-3099(24)00105-1.
The surface topography of silicone breast implants mediates the foreign body response in mice, rabbits and humans
Nat Biomed Eng. 2021 Oct;5(10):1115-1130.

自然科学総合と記載があるが、内容は英語論文の読解試験である。例年、大門は2題で1問目は基礎研究系、2問目は臨床研究系でそれぞれ構成されている傾向にある。読むべき分量と解答すべき分量のわりに時間が90分と厳しいので、問題を先に読んで該当箇所以外は流し読みするスキャニングで解答することを勧める。

2022年度の入試が試験時間90分に対して、問題冊子38ページと非常に波紋を呼び、そこからの年以降は出題が安定しているように思える。
基礎研究系はNatureCellで対策し、臨床研究系はNEJMJAMALancetでの対策がよい。

論文はとにかく読んで慣れるしかない。総説でなければ基本的に『背景・目的』⇒『結果』⇒『考察』の順に記載されているので、それを知っているだけでも本番、該当箇所を絞りやすい(『方法』の記載があるが、実際の試験問題では割愛されていることが多い)。

そして最初は分からないことがあったら誰かに質問して、実験の原理や統計の仕組みなどを教えてもらうのが手っ取り早い。大学院生や研究職であれば、論文を読むことに慣れていると思われるので心配ないが、文系の方は個別指導を受けることをできる限り勧める。

(当塾の塾生にはこれらの雑誌のどの時期のどの分野が出題されやすいかまでピックアップして読んでもらっています。こうすることで本番で読んだことのある文章が当たる確率が格段に上がります。)

とはいえ、TOFLEを80点取得するのが最優先である。過去に80点台での1次通過者は存在するが、最終合格まで考えると、心の余裕的にも90点以上は欲しい。

勉強方法としては
 1. 文章の中で出会った分からない英単語は意味と共にストックしておき定期的に見直す。
 2. 音読をしっかり実施し、できれば日本語を介在させないまで理解できるよう読み込む。
 3. 1つの論文を300~400字程度の日本語に要約する。
上記3点が非常にお勧めである。

問としては、『日本語で説明せよ』『自身の考えをもとに日本語で論ぜよ』『日本語で要約せよ』『日本語で考察せよ』などが目立つ。よって、文法の対策は必要なく、読解と記述の対策が必須である。英語で解答させる問がたまにあるが、25単語程度で解答せよと、簡便なものなので、TOFLE対策をしていれば特に問題はない。

問題文上で文字数の指定がされていないのが奇妙であるが、解答欄の大きさ的におおよそ100~400字程度でまとめるのが無難である。繰り返しになるが、日ごろから「論文を読む→日本語で要約する」といった作業を繰り返すことが、一番よい対策のように思われる。

単語帳として『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』などの医療単語系の単語帳をはじめに実施するのも一つの手であるが、文章の中で出会った分からない英単語をその都度把握していけば、必須ではないように思われる(ここは好み)。

統計に関しては直接出るわけではないが、『医療統計分かりません』 ⇒ 『わかってきたかも医療統計 だけど論文読めません!!』 ⇒ 『わかってきたかも!?医療統計』を順に対策しておけば十分すぎると感じる。計算をさせられるというより、p値とはなにか、感度/特異度とは?などを日本語で説明できるようにしておき、論文に出てくる表を理解できるようにしておくこと。

神戸大学や富山大学の試験が傾向が似ており、手に入るのであればよい対策となる。実際、神戸大学とは2024年度に出典が被っている。

面接

グループディスカッションが1回、集団面接が1回、そのあと個人面接が1回、計3回の面接が行われる。

【グループディスカッション】

例年20名が2次試験に進むので、5名×4グループ(午前2グループ、午後2グループ)に分かれて、グループディスカッションを実施する。そのため、5名くらいのグループであれば、しっかりと発言できるようなメンタルはあらかじめ持ち合わせておきたい。

まず初めに、控え室で『討論のテーマ』と『討論のテーマに関連するグラフや表などの情報』が配布される。5~10分ほど与えられるので、この時間で、どのデータを根拠に、自分はどう考えるかをまとめる。

過去の討論テーマは次のようなものがある(同じ年度でも午前と午後のグループでは当然題材が異なるようである)。
・子宮移植の倫理的問題点
・性差に関して
・高齢化社会において生じる様々な問題に対して、医療者が果たすべき役割
・出生前診断に賛成か反対か
・増加する医療費と喫煙者の病気は自己責任か
・医師は基礎研究とどう向き合うべきか
・外国出生の結核患者への医療提供に関する課題と、対応策について
・安楽死に対して日本はどのように対応していくべきか


そこから、面接会場に移動し、時間は計40分ほどで下記のように進む。

① 1人1分で自己紹介(5分)
この時、討論のテーマで頭がいっぱいになっていると思われるので、何も考えずとも言葉が出てくるように、自己紹介はあらかじめ十分に用意、練習しておくこと。

② 30分でグループディスカッション(30分)
ホワイトボードが用意されており、司会や書記、タイムキーパーなどは話し合って決める。特段決めなくても良いようである。面接官は例年5名ほどで、ほぼ口出しはしないようである。

グループディスカッションは、一人で話し過ぎてもよくないし、全く発言しないのも当然よくない。自分が話し過ぎてると感じたら、他の人に話を振る。発言してない時間も他人の話をよく聞く姿勢でいる。自分があまり発言していないと感じたら、勇気を振り絞って発言する。これらを意識しておきたい。

発言する際は基本的に『データに基づいて』発言すること。自分はこう思うと単に伝えるのではなく、このデータでこうなっているから、こう思う、というのが優秀な研究者の議論の進め方である。

③ 1人1分で議論の内容を踏まえて各自自分の考えを発表(5分)
『自分の考え』を発表というのが重要となる。グループでの見解を述べていたら全員同じ内容になるので、自分の考えをしっかりと踏まえて発表したい。代表者1名が発表するのではなく、一人一人時間が与えられているのはそのような意図があると思われる。

【集団面接】※2025年度入試では下記のプレゼンは集団ではなく個人ごとで実施する形式に変更した。今後どうなるかは不明。

・2024年度入試まで

集団面接の内容は毎年概ねおなじ「大学時代 or 社会人で学んだこと・研究について」である。大学以降のとりくみも含めていいが、必ず大学でのことに触れよという指示がある。面接といっても面接官が質問するのではなく、同じグループメンバーのみで実施する。面接官は時間管理と進行。時間は一人あたり、発表6分、質疑応答6分の計12分である。5人グループなので、計60分実施される。発表にはパワーポイントは使えないが、ホワイトボードが使えるので、図を描きながらプレゼンできるように練習を積むこと。

・2025年度入試から

プレゼン5分+質疑応答5分で個人ごとで行われる。2024年度入試まで同様、発表にはパワーポイントは使えないが、ホワイトボードが使える。題材も同様に「大学時代 or 社会人で学んだこと・研究について」である。質問自体は一般的で「研究のきっかけ」「研究は自分で構想したのか」「将来の展望はどうか」などの研究についての質問がされる。

ここでは、『プレゼン力』、『質疑応答の力』が問われているように思える。どれも、学会で問われる能力であるため、医科歯科大学らしい選考である。質問に対する回答は、端的に結論から分かりやすく、という点は抑えておきたい。

【個人面接】※2025年度入試では個人面接が2回実施された。

・2024年度入試まで

面接官は10人と多いが、時間は10~15分ほどと短い。特に深堀りされるような質問はないようで、質問内容も一般的である。

・集団討論の感想を簡潔に
・リーダーシップをとれるような人材を求めているが、20歳前後の現役生の中で発揮できるか
・現役生にどのような影響を与えられるか
・臨床か研究か
・何科に興味があるか
・現在の仕事について
・編入試験は、医師はいつから志しているか
・なぜ今の仕事から医師の道を考えたか
・医師を志望する理由は
・なぜ医科歯科大学か
・これから医師として具体的にやりたいこと、プランは
・10年後のビジョンはあるか
・医師になってから大学院に入る予定はあるか(学位はとるか)
・それをするにあたって自分の背景をどのように活かすか
・志望動機などについて

やはり、グループディスカッションと集団面接が対策がしづらく、鬼門のように思える。就活経験者であれば、グループディスカッションの経験もあるように思うが、そうでない場合はなかなか大変である。2次試験の内容も踏まえて、受験するかどうか決めてもらいたい。

・2025年度入試

質問4つ書かれていた紙を読んで、10分内に全部答える(読む時間も含む)。面接官は質問も誘導もしない。
①あなたがこれまで一番熱心に取り組んだこと
②将来のキャリアプラン
③ほかの国と比べて、今の日本の論文数が下落している。国として、大学として、どのように対応すればいいと思うか
④もしあなたが現役生の方からこういう相談を受けたら、どのようにアドバイスするか。「いつかNature, Cell,のような国際誌の筆頭著者になりたいが、どうすればいいですか」

2025年度入試より形式が大きく変更され、個人面接が2回と増加したため注意が必要である。

面接対策

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※個別面接だけの対策となっており、グループディスカッション、集団面接に関しては実施しておりません。あらかじめご了承ください。