富山大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。
過去問の解答もこちらから販売しております。
人気と倍率
倍率は過去数年間の平均で約37倍であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、極めて高い。
これは、①推薦書が必要ないこと、②英語の外部試験が必要なかったこと、③科目がおおむね英語のみであること、の3点が要因として考えられる。
しかし、令和7年度からTOEFLかTOEICのスコアが必要となるため、今後倍率は低下する可能性もある。とはいえ、足切りの点数はないため、今後も人気の大学であることは変わらないだろう。
また、「総合試験」に関しては生命科学、統計、高校化学の知識を問われることもたまにあるが、ほぼ英語の試験といっても過言ではない。
さらに、課題作文も筆記と同日に試験が行われるため、この点も注意が必要。
過去問に関しては過去数年分送付してもらえる。詳しい方法はこちらから。(当塾の生徒には過去6~7年の試験問題をご提供可能です)。
基本情報
【大学名】 | 富山大学 |
【募集人数】 | 5名 |
【出願時期】 | 7月 |
【筆記試験】 | 9月 |
【面接】 | 11月 |
【推薦書】 | × |
【TOEFL】 | 〇 |
【TOEIC】 | 〇 |
【科目】 | 主に英語 (生命科学と統計) |
【その他】 | 課題作文 口頭発表 面接 |
【注意事項】 | 令和7年度より 英語は 外部試験必要 |
傾向と対策(課題作文)
毎年、時間は60分、字数は1000字の小論文である。2020年度入試までは、400~500字×2題の出題であったが、2021年度入試からは、1000字×1題の出題で安定している。編入試験にしては珍しく、1次試験に小論文を課す大学であり、筆記と同じタイミングで対策が必要であるので注意が必要である。
過去に出題された題材は以下のようなものとなる。
・学士編入で医学部を卒業した医師は、一般入試で卒業した医師と比べて、社会にどのような利益をもたらすと考えるか。(400字)
・モンスターペイシェントに対するあなたの意見。(400字)
・学士入学生が卒業後、地域医療にどのように貢献すべきであるか。(500字)
・あなたが医師になることによって、どのような形で北陸の医療に発展に努めることができるか。(500字)
・将来、医師はAI医療をどのように位置づけるべきかに対するあなたの考え。(500字)
・研究不正が行われる原因とその防止策に対するあなたの考え(1000字)
・「医師の働き方改革」について、①なぜこれまで長時間労働が容認されたか、②導入に至った経緯、③起こりうる問題点と必要な施策について(1000 字)
・医師に求められるプロフェッショナルリズムについてあなたの考え(1000字)
・医師の地域偏在(都市部集中と地方での不足)についての要因と施策・工夫(1000字)
小論文の対策は
①『落とされない小論文』
②『改訂第2版 書き方のコツがよくわかる 医系小論文 頻出テーマ20』
③ 富山大学を含めた、志望校の小論文の過去問 ⇒ 添削
などを順に進めていくことを勧める。①から順に解き進めるとよい。①と②で小論文の「型」を学び、③で演習を積む流れなので、小論文が得意な受験生は③から始めても問題ない。
その際、第三者による添削があると、文章はかなり改善されていくのでおススメである。論理的な文章を書く人が、頭の中でどのように考え、どのような意図をもって構成や文章を考えているかを知ることが、小論文対策で一番重要である。
当塾では小論文の添削も実施しております。
傾向と対策(総合試験)
総合試験(英語)
総合試験と記載があるが、内容はおおむね英語の試験である。例年、大門は3題で図や表を読み解く問題が多い。
「研究をするうえで必要な論文読解能力」を求められている試験であり、統計検定や本文中の数式の理解、簡単な計算をさせるような問題も毎年出題されているので注意が必要である。時間、分量ともに編入試験最難関の英語の試験といっても過言ではない。
時間は180分あるが、全ての文章を読んでいたら時間は足りない。問題を先に読んで該当箇所以外は流し読みするスキャニングで解答することを勧める。
辞書は持ち込めるが、悠々と使える時間はないように思われる。一般的な辞書にないような言葉に関しては、割と丁寧に注釈がついているので、単語力の勝負ではなく、この図はどう理解できるか、この結果はどのように解釈できるか、各実験の結果を整理できているか、を問われているような試験である。
出典に一貫性はないが、Nature関連の雑誌とLancetの出題が多いように思える。故に、基礎研究系はNatureやNature Medicine、それとこちらのサイトでピックアップされているような論文で対策し、臨床研究系はLancetでの対策をおすすめする。
論文はとにかく読んで慣れるしかない。そして最初は分からないことがあったら誰かに質問して、実験の原理や統計の仕組みなどを教えてもらうのが手っ取り早い。大学院生や研究職であれば、論文を読むことに慣れていると思われるので心配ないが、文系の方は研究経験のある者の指導を受けることをできる限り勧める(当塾でも海外雑誌への論文投稿経験者がスタッフとして在籍しております)。
具体的な勉強方法としては
1. 文章の中で出会った分からない英単語は意味と共にストックしておき定期的に見直す。
2. 音読をしっかり実施し、できれば日本語を介在させないまで理解できるよう読み込む。
3. 1つの論文を300~400字程度の日本語に要約する。
上記3点が非常にお勧めである。
問としては、『50~200字程度の日本語で説明せよ/述べよ』『和訳せよ』などが目立つ。よって、読解と記述の対策が必須である。和訳は編入試験では珍しいが、普段から英語を理解できるのであれば、特別対策は必要ないだろう。心配であれば英文解釈の参考書を1冊仕上げても良い。
単語帳として『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』などの医療単語系の単語帳をはじめに実施するのも一つの手であるが、文章の中で出会った分からない英単語をその都度把握していけば、必須ではないように思われる(ここは好み)。
医科歯科大学や神戸大学の試験が傾向が似ており、手に入るのであればよい対策となる。難易度的に富山大学と比較し、神戸大学は少し易しく、医科歯科大学は同程度なので、順番としては神戸大学 → 医科歯科大学の順がよい。
統計に関しては、余力があれば当然実施しておきたいが、出題は安定せず必須ではない。実施するとしても『医療統計わかりません』などの基礎的な参考書を1冊仕上げ、当日それでも解けないものは捨てる覚悟でもよいと考えられる。
計算して解けるというよりも、論文に出てくるような統計解析手法がどのような理由で選択され、実施されているかを適宜把握していく方が対策としてはよいかもしれない。
生命科学に関しては直接的な知識はあまり問われないものの、他の志望校もあるので、ぜひ実施しておきたい。最低限の生物の知識がないと英文を読めても理解できない可能性があるためである。
母性遺伝などの生命科学系の知識や、簡単な遺伝の計算なども簡単にさせられる場合もあるので、これらを捨てるのは勿体ない。
面接
毎年、5分間の『プレゼン』と7分間の『個人面接』が実施される。面接官は例年6名である。
【プレゼン】
毎年、「これまでに学んだことと、医学貢献への抱負」がテーマである。5分間ということで、スライドは10枚前後が想定される。構成としては、これまで学んだことに2~2.5分、医学貢献への抱負に2.5~3分程度にするとよい。パワーポイントの添削も一度は第三者に受けてもらうことを勧める(ご希望の方はこちらから)。
資料の作製が完了したら、最低10回は練習すること。その際、原稿は丸暗記、いつどのタイミングでアニメーションをいれたり、スライドを送るかに関しても厳密に練習し、本番の緊張で何も考えられない状況であっても、スラスラ言えるくらい身体に定着させること。実際に原稿を口にすることで、日本語のおかしい点に気付くことも多い。
【個人面接】
プレゼンに対する質問が多いようである。時間も短いので、プレゼン以外に対することは、特に深堀りされないようである。そのため、下記の質問に対する答えを用意したら、残りの時間はプレゼンと質疑応答の練習に時間を全部使うのが得策である。
・プレゼンに対する質問
・現役生にどのような影響を与えられるか
・臨床か研究か
・何科に興味があるか
・現在どのような仕事をしているか
・あなたの強みや、医師として活かせることは
・編入試験は、医師はいつから志しているか
・なぜ今の仕事から医師の道を考えたか
・医師を志望する理由は
・なぜ富山大学か
・卒業後、富山に残るつもりはあるか
・これから医師として具体的にやりたいこと、プランは
・それをするにあたって自分の背景をどのように活かすか
・志望動機などについて
過去の「課題作文」の題材もよい面接対策になるので、面接で問われてもよいように、自分なりの答えを用意しておくこと。
面接対策
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