名古屋大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。
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人気と倍率
倍率は過去数年間の平均で約21倍であり、医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、高い傾向にある。
これらは、推薦書が不要で、科目数が少ないことが関連していると考えられる。英語の外部試験を課していなかった点も大きい。
とはいえ、2024年度入試は募集人数に関しては定員4名のところ、最終合格者を2名しか出さず、実質の倍率は極めて高い。
さらにこのことから、相対評価ではなく、絶対評価を採用していると推察できる(少なくとも2次試験に関しては)。
また、2025年度入試より試験が1~2か月ほど早まり、大学独自の英語試験を廃止し、外部試験(TOEIC, TOEFL、IELTS)を取り入れるなど大幅な変更がなされている。その結果、2025年度は倍率が9倍と極めて低下した。
研究業績の提出が必要ということもあり、基礎研究者となるような人材を求めている大学であるが、神戸大学や高知大学のように必ずしも論文を持っていることが必須条件ではないように思われる。とはいえ、2次試験の課題である「これまでの研究に関して」を発表する程度の研究経験や、学会発表程度の研究業績は必要であるように推察される。
基本情報
【大学名】 | 名古屋大学 |
【募集人数】 | (最大)4名 |
【出願時期】 | 5月 |
【筆記試験】 | 6月 |
【面接】 | 7月 |
【推薦書】 | × |
【TOEFL】 | 〇 |
【TOEIC】 | 〇 |
【科目】 | 生命科学・統計 |
【その他】 | 小論文・面接 |
【注意事項】 | 研究概要提出 定員まで取らない 年もある。 |
傾向と対策
生命科学を中心とする自然科学
年度 | 実施年 | 問題Ⅰ | 問題2 | 問題3 |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 統計学 |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 統計学 |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 免疫学 分子細胞生物学 (実験考察) | 統計学 |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 生理学 | 分子細胞生物学 (実験考察) | 統計学 |
2022 (R4) | 2021 (R3) | 生分子細胞生物学 (実験考察) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 統計学 |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 生理学 分子細胞生物学 (実験考察) | 生化学 分子細胞生物学 (実験考察) | 統計学 |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 分子細胞生物学 (実験考察) | 統計学 |
2025 (R7) | 2024 (R6) | 生化学 分子細胞生物学 (実験考察) | 生化学 分子細胞生物学 (実験考察) | 統計学 |
2025年度入試から独自の英語試験が廃止され、外部試験が導入された。
これらはスコア換算表により100点満点に換算される。
現状、TOEFLとTOEICでは満点でも90点にしかならないが、
併願校でIELTSやTOEFLが必要でない限りは、点数の取りやすいTOEICの対策が無難である。
スコア換算表に異常な偏りがあり、895点と940点が同じ75点として扱われるため、
受験生はこの辺りの70~80点のラインを目指すのが、順当と思われる。
生命科学に関しては例年、5割程度が1次通過のボーダーと言われており、その難易度は極めて高い。
大問は例年3問から構成され、2問は分子細胞生物学、1問が統計の構成となっている。
実験考察問題が極めて頻出で、PCR、ウェスタンブロッティングなどの実験系の問題は対策が必須となるが、当塾の分子細胞生物のテキストを原理と共に理解し解けていれば、特に問題はない。(ご購入はこちらから)。
実験考察系に関しては、市販の参考書での独学は困難であるのでお勧めしない。
(というより、対策できる市販の参考書が現状存在しないように思える)。
また、細菌やウイルスなどの微生物学の出題も他の大学と比較して好む傾向にあり、マニアックな出題も多い。
「Essential細胞生物学」の範囲を逸脱している問も多く、独学で進める方は「The Cell 細胞の分子生物学」まで手を付ける受験生も多い。
とにかく、完答を目指すのではなく、捨て問と解答すべき問題を見極めることが重要である。
統計においても医学部学士編入試験実施大学において最難関となっており、「マセマ出版社 確率統計」レベルの問題の出題がされる。
「初めから学べる 確率統計キャンパス・ゼミ」⇒「マセマ出版社 確率統計」の順で対策することをすすめる。
とはいえ、近年その難易度は難化しており、最終合格者であっても数問しか解けておらず、統計で大きな差がついていないのが現状と思われる。
時間がある受験生は統計に時間を掛けると周りと差がつく可能性は少なからずあるが、
名古屋大学のためだけの対策となってしまうのは否めない。
多くの受験生は統計はほどほどに対策し、生命科学の大問2問で点数を稼ぎ、
合計で5~6割程度を狙うのが併願校との兼ね合いを踏まえると現実的な戦略かもしれない。
小論文
2022年度入試までは、1ページ程度の文章(日本語)を読み、自分の意見や今後の展望などを記載する形式であった。
しかし、ここ数年は生命科学系の英文を読み、自分の意見や今後の展望などを記載する形式となっている。
小論文においても英語力が必要な試験となりつつある点は注意が必要である。
2025年度以降、独自の英語試験を廃止したことを踏まえると、外部試験では評価できない生命科学系の英文読解力を評価するため、引き続き英文を含んだ問である可能性が高い。
とはいえ英文の有無に限らず、問われる内容に関しては、ある程度一貫しており、「研究者として何ができるか、どうしたいか、本文をどう解釈するか」といった問が多いように思われる。入学後や卒業後に学びたいこと、実施したい研究を踏まえて記載せよと指定されることも多い。
つまり、普段から研究をしていない受験生や、研究(特に基礎研究)に興味のない受験生とっては解答しづらい試験となっている。
対策としては、群馬大学の1次試験(小論文Ⅱ)や秋田大学の小論文(英語)の試験が非常によい対策となるのでおススメする。
面接
2024年度入試までは、年によって下記の2つのどちらかの形式となっていた。
・これまでの研究に関して10分 ⇒ 質疑応答15~20分
・研究発表1分、記載した小論文のプレゼン4分 ⇒ 質疑応答15~20分
しかし、2025年度入試では
・これまでの研究に関して1分、記載した小論文のプレゼン1分 ⇒ 質疑応答13分(この15分の面接を面接官を変えて2回実施する)
という非常に面接重視の内容となっている。
どちらにせよ、研究医を目指す人材を求めていることもあり、学会形式でプレゼン能力が求められる。
自分から話し始めるという点で他の大学とは大きく異なり、面接というよりは発表と質疑応答である。
研究に関しての原稿は事前に準備できるが、小論文に関してはその日に目の前で準備し、その日に発表なので事前に添削などをすることができないので注意が必要である。
質問の多くが発表した研究に関してや、研究者としてどうしたいか、どういう研究を進めたいかといった内容が多いように思われる。
試験官は例年5名ほどで、研究以外に関する質問は比較的、一般的である。
面接対策
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