長崎大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。

人気と倍率

倍率は過去数年間の平均で約30倍であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、明らかに高い。

しかし、長崎大学のHPで公表されている通り、令和6年度入試よりTOEFLやTOEICなどの外部試験が課されるようになり、現在の倍率は20倍前後に落ち着いている。

TOEICに関してはSpeaking&Writingまで課されるので注意が必要である(S&Wは点数が2.5倍される)。
これに伴い、科目として英語の試験は廃止となったが、生命科学に英語が少し出題されるので、外部試験以外の英語を全く対策しないわけにはいかない点も注意したい。

また、社会人の方にいたっては、推薦書を会社の上司に記載してもらう必要があり、これが非常に受験のハードルを上げている。
当塾の生徒でも、多くの方がこの点を気にして受験を避ける傾向にある。

さらに、過去問を一切外部に公表していない点も対策を難化させているだろう。

唯一救いなのが、各科目の点数配分が公表されている点である。

1次試験:英語(50点)、生命科学(600点)
2次試験:小論文(200点)、面接(200点)、書類審査(200点)

となっており、1次試験の上位20名が2次試験に進む。
書類までが点数化され、面接とともに配点が大きい点が非常に気になる。

年齢によって書類の点数が多少、変動するかもしれない。

また、非常に奇妙な点として、TOEFLやTOEICなどの外部試験の点数は1次試験で点数化されるが、
点数開示をすると多くの受験生は0点となる。

おそらく、ある一定の点数以上ないと全て0点換算になるスコア換算表のようであり
そのラインもかなり高いと思われる(定かではないが、TOEFLは80点以上でやっと点数をもらえるくらいの難易度)。

英語の配点が50点と低いので、そこまで気にすることではないが
足きりギリギリで出願するか、思い切って高得点を取るかしないとコストパフォーマンスが悪いので気を付けてもらいたい。

基本情報

【大学名】長崎大学
【募集人数】5名
【出願時期】7月
【筆記試験】8月
【面接】10月
【推薦書】
【TOEFL】42
【TOEIC】1150
(S&W含む)
【科目】英語(50点), 生命科学系科目(600点)
小論文(200点), 面接(200点), 書類審査(200点)
【その他】×
【注意事項】TOEIC S&W 必要(点2.5倍)
IELTSなども使える

書類も点数化

社会人は推薦書が上司

生命科学に英語が出題される

傾向と対策(生命科学系科目)

近年は、大問が6~8問構成、時間は1時間30分である。問題が多く、時間は足りない。点数は600点と高い。
年によって大きく変動するが、600点のうち5~6割前後が1次試験突破のボーダーラインなので、比較的難しい試験である。

生命科学系科目とあるが、物理化学や統計学の出題はない。
生命科学がメインで、英語の出題も長文や選択肢など2~3割存在する。

英語の試験は、毎年そこまで難しくないようで他の大学の英語の対策をしていたら理解するだけなら問題ない試験のようである(英語が科目として課されていた年も英語は平易な内容であった)。

とはいえ、TOEICなどの外部試験だけの対策をして臨む受験生にとっては奇をてらう形となるので、注意してもらいたい。

過去の入試では「豚の腎臓移植」「CRISPR-Cas9の機能」「Covit-19」などに関する題材が英語が出題されており、直近1年以内の最新のトピックが出題される傾向にあると思われる。

出典はNature, Science, Nature Medicine, The Lancetなどの科学誌や医学誌であるので、このあたりの雑誌の英文は読んでおいたほうがよいだろう(これら雑誌の記事は膨大で、すべて読んではいられないので、当塾の生徒にはこれらの雑誌のなかでも特に出やすい内容や範囲をお伝えしている)。

過去に生命科学と絡めて医学英単語を記載させられる問題の出題があったが、なかなかそこまで対策するのは難しい。

琉球大などと併願予定であれば「臓単: 語源から覚える解剖学英単語集内臓編」などの解剖の英単語帳を一冊こなすのもおすすめである。

生命科学と英語ともに、ほとんど選択肢か単語で、記述はあったとしても50字程度で、設問数/記述量ともに少ない。
ゆえに、記述の練習よりも、多くの問題を少ない時間の中でテキパキと処理する能力が求められる。

生命科学の問題は分子細胞生物学、生化学、免疫学、生理学、遺伝学と広範囲にまんべんなく出題がある。
実験考察系の問題は毎年出題があるようなので、PCR、CRISPR-Cas9、WBなどの実験は原理を含めて学習しておくこと。

ノーベル賞関連も頻出である。ゆえにmRNAワクチン、免疫チェックポイント分子、オートファジー、iPS細胞、C型肝炎ウイルスなどのノーベル賞周辺の知識は整理しておくとよい。

対策として当塾の生命科学のテキストを進めておけば、特に問題はない。
図やグラフを読み解く問題も出題も多いので、当塾の図による完全フルカラー教材でぜひ対策してもらいたい。

医学部学士編入塾Cell 要項集
医学部学士編入塾Cell 問題集

小論文

例年、時間は90分で、大問は2題で点数は200点。各大問ごとで記載する字数は合計で600字前後となる(200字×3問、300字×2問など)。

大問の1つ目は日本語を読んで、題意に沿った内容や意見を述べるThe小論文というような形式である。

大問の2つ目は図や表を読んで、図から読み取れることや推察できることを述べる形式であることが多く、研究経験がある受験生には少し有利な問題となっている。内容としては基礎研究系もあれば、臨床研究系もある。

対策としては

① 富山大、大阪大、琉球大、群馬大などの他大学の医学部学士編入試験の小論文

などがおススメである。1つ1つの問題で記載すべき文字数は多くないので、1000字の小論文を記載する練習よりも、200~300字程度で短く端的に述べる記述する練習をしたほうがよい。

また毎年、漢字の書き取り問題が5~10題ほど出題されるのが特徴的である。年によっては難しい書き取り(例:ひるがえって→翻って)なども数問あるが、基本的には理系出身であっても、そこまで必死に対策しないで点は取れる範囲である(おそらくそこまで配点も高くない)。

すごく心配なのであれば、漢検準2級~2級程度の参考書をこなしてもよいが、コストパフォーマンスは低い。

面接

試験官は例年3名、時間は15~20分程度の個別面接である。
点数は200点満点である。質問は一般的だが、点数として100点以下になることもあるようで、意外と差がつくと思われる。

過去の例をみるに、2次試験全体で7割程度は獲得したいが、書類も面接も採点基準は定かではないので、できることを最大限するのが一番の合格への近道であろう。

・医師を目指す理由
・長崎大学を目指す理由
・併願校はあるか
・なぜその併願校か
・希望の診療科はあるか
・大学院で学んだこと
・研究の経験はあるか
・なぜその研究を続けないのか
・そのまま研究者にはならないのか
・研究での困難は?それをどう乗り切ったか
・どのような仕事をしていたか
・仕事での苦労やトラブルをどのように対処してきたか
・その仕事をしていて最も楽しかったことは
・リーダーシップをとるほうか、具体的なエピソードがあれば
・入学後にそのリーダーシップをどう活かせるか
・長所や短所は
・専門知識をどう活かすか
・どのように自身の背景を医師として活用するか
・どんな医師になりたいか(理想の医師像)
・最近ニュースで気になる話題はあるか
・長崎県の医療問題は知っているか
・医師の偏在や離島での医療格差を解決する方法

面接対策

長崎大学に特化したオンライン面接対策はこちらから。
今だけ特別価格30分1000円で実施しております。