大阪大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。

人気と倍率

倍率は過去数年間の平均で約13倍前後であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、低めである。

旧帝大であり、推薦書が不要な点が倍率を上昇させる一方、幅広い科目を深く学習しなければならないため、この倍率に落ち着いていると考えられる。倍率と関係なしに、医学部編入試験実施大学の中で最難関と言っても過言ではない。

情報の透明性が高く、年齢や経歴で一切の不公平性が無い大学と言える。故に、とにかく筆記に強く、高得点をとれる学生が望まれる。

科目に関しては全体を通して大学範囲である。年にもよるが、英語はTOEIC900点以上(スコア換算で8割5分程度)、生命科学は7~8割、物理化学は4~5割が目安となり、1次試験全体を通して6割前後を目指したい。2次試験の小論文や面接も6割程度が目安となる。

小論文や面接は得点を取ろうと思って取れるものでもないので、やはり筆記試験の点数が重要となってくる。

比較的、英語と生命科学に関しては得点源になる傾向にあり、合格者の中でも大きく差はつかない印象である。物理化学の方が対策が間に合わない受験生も多く、得意不得意で点差がつきやすいので合否の分かれ目になるだろう。

例年、東大、京大、阪大などの理系出身者からの合格者が多く、大学で物理や化学を専攻していた学生はやはり強い。自身の適性や背景を踏まえて、目標得点のバランスやそもそも志望校とすべきかどうかを判断してもらいたい。

極端な話、物理化学を均等に得点せずとも、化学で80点、物理で10点でも構わないので、自分なりの戦略を立てること。

過去問に関しては過去1年分請求可能なので、受験を考えている方は取得を勧める。詳細はこちらから。
また公式ではないものの、こちらのサイトでもまとめられているのでご参考までに。

基本情報

【大学名】大阪大学
【募集人数】10名
【出願時期】6月
【筆記試験】7月
【面接】7月
【推薦書】×
【TOEFL】〇(スコア換算)
【TOEIC】〇(スコア換算)
【科目】物理、化学、生命科学、英語
【その他】小論文、面接
【注意事項】生命科学に
一部英語

定員までとらない年もある

場合によっては
面接2回実施

傾向と対策(生命科学)

年度実施年問題Ⅰ問題2問題3問題4
2018
(H30)
2017
(H29)
生化学
分子細胞生物学
分子細胞生物学分子細胞生物学英語(CRISPR-Cas9)
分子細胞生物学
2019
(H31)
2018
(H30)
分子細胞生物学分子細胞生物学分子細胞生物学英語(DNA修復機構)
分子細胞生物学
2020
(R2)
2019
(H31)
分子細胞生物学
免疫学
分子細胞生物学
生理学
分子細胞生物学
実験考察
生理学
英語(がん)
分子細胞生物学
2021
(R3)
2020
(R2)
分子細胞生物学分子細胞生物学
実験考察
生理学
分子細胞生物学
実験考察
生理学
英語(HBV)
分子細胞生物学
2022
(R4)
2021
(R3)
生理学分子細胞生物学分子細胞生物学
免疫学
英語(形質転換)
分子細胞生物学
2023
(R5)
2022
(R4)
分子細胞生物学
実験考察
生理学
分子細胞生物学分子細胞生物学英語(天疱瘡)
分子細胞生物学
2024
(R6)
2023
(R5)
分子細胞生物学
実験考察
生理学
分子細胞生物学
遺伝学
分子細胞生物学英語(COVIT-19)
分子細胞生物学
2025
(R7)
2024
(R6)
分子細胞生物学分子細胞生物学
実験考察
遺伝学
実験考察英語(発生生物学)
分子細胞生物学
※生命科学は①分子細胞生物学、②生化学、③免疫学、④生理学、⑤遺伝学の5つの単元に分類して記載しています。

例年、大門は4題。時間は2時間。分子細胞生物とそれに関係する実験考察問題が多く出題される。他の科目に比べ、点数が150点と50点分高いので、苦手科目には絶対にしないこと。7~8割が目標点数となる。

出題範囲が極めて広いわけではなく、難易度もそこまで高い印象は受けない。最悪、生化学、免疫学、生理学などは触れなくても何とかなる年も多い。毎年、実験考察系と英語の部分で差がつくので、その対策は必須である。基本は当塾を含めた予備校のテキストで学習するのがベストである。ご購入はこちらから。

余力があれば、英語の部分の対策としてScienceなどのコラムを読んでおくのがよい演習となるだろう。専門用語に関しては注釈が入るので、単語力というよりは、日本語で学んだ生命科学の知識を英語でも理解できるかが鍵となる。

傾向と対策(物理)

年度実施年問題Ⅰ問題2問題3
2018
(H30)
2017
(H29)
力学波動
熱力学
2019
(H31)
2018
(H30)
力学電磁気学熱力学
2020
(R2)
2019
(H31)
力学電磁気学熱力学
2021
(R3)
2020
(R2)
電磁気学波動
力学
2022
(R4)
2021
(R3)
力学電磁気学
2023
(R5)
2022
(R4)
力学電磁気学
2024
(R6)
2023
(R5)
力学波動
2025
(R7)
2024
(R6)
力学電磁気学
※物理学は①力学、②電磁気学、③熱力学、④波動の4つの単元に分類して記載しています。

例年、大門は2題。時間は90分。力学は毎年必ず出題され、2問目は波動 → 電磁気 → 電磁気の順に毎年推移している印象。熱力学はたまに出題があるが、優先度は低い。よって、力学と電磁気or波動を優先して仕上げることをすすめる。目標は40~50点前後。

故に、順番としては(物理数学 ⇒) 力学 ⇒ 電磁気 and 波動 ⇒ 熱力学 の順に対策するのがよい。偏微分などの物理を学ぶための数学に関しては、はじめに実施するか、単元ごとで出てきたらその場で理解するかは好みである。

おススメの参考書
・『スバラシク力がつくと評判の 力学キャンパス・ゼミ
・『スバラシク力がつくと評判の 電磁気学キャンパス・ゼミ
・『スバラシク力がつくと評判の 振動・波動キャンパス・ゼミ
・『スバラシク力がつくと評判の 熱力学キャンパス・ゼミ

上記のマセマシリーズが全受験生が使う定番となっている。演習量が足りないと感じる場合は『演習しよう』シリーズも分野によっては手を付けてもよい。

最初からマセマに手を付けるのが難しいと感じる場合は、少し初学者向けの『単位が取れる』シリーズや『マセマ 初めから学べる』シリーズから手を付けてもよいだろう。高校物理からやり直すのは、遠回りとなるのでおススメはできない。

また、YouTubeチャンネルである 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」 で簡単に授業動画が閲覧できるので、躓いた単元で視聴してみるとよいだろう。はじめから一通り全部視聴してしまっても良いかもしれない。

最後に、化学と物理に共通して言えることであるが、年度によっては奇問や難問が出題される。これらを本番中に見極め、いかに典型的な問題を取りこぼさないかが合格するうえで重要となってくる。故に、過去問で解けないからといって落ち込まず、点数をかき集めるくらいの覚悟で挑んてもらいたい。

傾向と対策(化学)

年度実施年問題Ⅰ問題2問題3問題4
2018
(H30)
2017
(H29)
物理化学
(反応速度論)
物理化学
(化学熱力学)
有機化学有機化学
2019
(H31)
2018
(H30)
物理化学
(化学熱力学)
物理化学
(化学熱力学)
有機化学有機化学
2020
(R2)
2019
(H31)
物理化学
(化学熱力学)
物理化学
(量子化学)
有機化学有機化学
2021
(R3)
2020
(R2)
物理化学
(化学熱力学)
無機化学有機化学有機化学
2022
(R4)
2021
(R3)
無機化学物理化学
(反応速度論)
有機化学有機化学
2023
(R5)
2022
(R4)
有機化学
物理化学
(反応速度論)
物理化学
(量子化学)
物理化学
(化学熱力学)
有機化学
実験化学
2024
(R6)
2023
(R5)
物理化学
(量子化学)
物理化学
(化学熱力学)
有機化学有機化学
2025
(R7)
2024
(R6)
物理化学
(量子化学)
無機化学有機化学有機化学
※化学は①有機化学、②物理化学、③無機化学、④実験化学の4つの単元に分類して記載しています。

例年、大門は4題、時間は90分である。目標は40~50点前後。

基本的に有機化学が毎年2題出題されるので、優先して進めるのがおススメである。大阪大学の有機化学は反応式の丸暗記では対応できない場合があるので、『ボルハルト・ショアー現代有機化学』や『マクマリー有機化学』などの教科書を一読しながら、反応機構などの原理を理解したい。非常に分厚いが、教科書をコツコツ読みすすめつつ、『有機化学演習 基本から大学院入試まで』などの問題集で演習を積むのが王道である。

次に進めるべきは物理化学である(自身の専門に合わせて有機化学と前後してもよい)。『物理化学演習 大学院入試問題から学ぶ』を基本に進め、中でも量子化学と化学熱力学の範囲は、『量子化学 演習による基本の理解 』『演習で学ぶ 化学熱力学 基本の理解から大学院入試まで』などで 基本を理解してから進めてもよい。

最後に余力があれば無機化学になるが、これは余力があればでよい。そもそも高校範囲の知識で対応できる場合もある。有機化学と物理化学がしっかり対策できていれば、問題なく合格点には達するだろう。

おススメの参考書
・有機化学:有機化学演習 基本から大学院入試まで

・物理化学:物理化学演習 大学院入試問題から学ぶ
(・量子化学:単位が取れる量子化学ノート or 量子化学 演習による基本の理解
(・化学熱力学:演習で学ぶ 化学熱力学 基本の理解から大学院入試まで

・無機化学:演習無機化学 基本から大学院入試まで

上記が難しいと感じる場合は、少し初学者向けの『単位が取れる』シリーズをひとつ挟んでもよい。また、NMRなどの演習量が足りないと感じる場合は『有機化学1000本ノック スペクトル解析編』などで演習を積んでもよいが、なかなかそこまでの時間は取れないと思われる。

傾向と対策(小論文)

年度実施年問1問2
2018
(H30)
2017
(H29)
生活習慣病の重篤化は自己責任か?(800字)生活習慣病の重篤化に伴う今後の医療について(800字)
2019
(H31)
2018
(H30)
AIと人の今後の関わりについて(800字)AIと医療に関してのメリットとデメリット、問題点(700字)
2020
(R2)
2019
(H31)
サルコペニアや認知症に対する医学的アプローチ(600字)サルコペニアや認知症の増加が
社会に引き起こす問題とその克服方法(800字)
2021
(R3)
2020
(R2)
褥瘡を予防するために社会や医療が必要なアプローチ(1000字)なし
2022
(R4)
2021
(R3)
研究不正が起こる理由とその解決策(1000字)なし
2023
(R5)
2022
(R4)
児童虐待の問題にどのように取り組めばよいか(1000字)なし
2024
(R6)
2023
(R5)
文章読解(400字)全く新しい医薬品開発において大切なことは何か(800字)
2025
(R7)
2024
(R6)
医療現場における「正しい判断」が不可能である理由(1000字)なし

例年、大門は1~2問。時間は90分。概ね、1000~1500字程度を記載する試験となる。

文字数に大きな前後はないので、下記の参考書を1~2冊仕上げて、『型』を覚えてしまうのが手っ取り早いだろう。小論文の『型』は「結論」⇒「結論の理由」⇒「それを裏付ける具体例」⇒「想定される反論」⇒「反論に対する具体的な解決策」⇒「再度結論」となる。

小論文の対策は
①『落とされない小論文
②『改訂第2版 書き方のコツがよくわかる 医系小論文 頻出テーマ20
③ 大阪大学を含めた、志望校の小論文の過去問

などを順に対策していくことを勧める。①から順に解き進めるとよい。①と②で小論文の「型」を学び、③で演習を積む流れなので、小論文が得意な受験生は③から始めても問題ない。

当塾では、授業中に添削を実施している。正直、小論文は自身で書いたものを第三者に添削をしてもらい、より良いものを書けるような演習を積む以外、上達方法はない。

面接

試験官は例年3名、時間は20分程度と一般的である。恐らく、どの面接官に当たるかによって、質問が変わってくるので、ひとまず下記の質問に滞りなく答えられるようにしておけば特に問題はないように思える。

・なぜ医学部か
・なぜ大阪大学か
・大阪大学で興味のあるカリキュラムは
・なぜ編入か
・なぜ高校時代に目指さなかったのか
・再受験は考えているか
・受験勉強の息抜きには何をしていたか?
・将来志望する科はあるか、その理由は
・臨床か研究か
・その科でどのような医師になりたいか
・これまでの専門をどう活かすか
・どのようなキャリアを描いているか
・一般入試で入学する生徒とはどう違うか
・強みや弱み
・研究経験はあるか?どのような研究をしたいか?
・研究での困難は?それをどう乗り切ったか
・研究は続けなくてよいか
・卒論について
・今後一番学びたいことは
・どのような仕事をしていたか
・大学の専門と仕事内容が解離している理由
・会社の規模や業種は
・意見が合わない上司や同僚とどう接していたか
・仕事での苦労やトラブルをどのように対処してきたか
・教訓にしているものはあるか
・リーダーシップをとるほうか
・長所や短所は
・手先の器用さや体力に自信はあるか

あまり特殊な質問はないように感じるが、場合によっては2回面接が実施される場合があることが公表されているので注意すること。

面接対策

大阪大学に特化したオンライン面接対策はこちらから。
今だけ特別価格30分1000円で実施しております。