山口大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。

人気と倍率

倍率は過去数年間の平均で約25倍であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較し、高い。

募集枠が10名と多いが、地域枠が3名なので、一般枠は7名となる。
過去問は非公表で請求もできない旨が山口大学のHPで明言されており、対策が非常にしづらい。

推薦書も必要で科目数も多いため、ここまで倍率が高い原因は定かではないが、
英語の外部試験が必要ない点は受験のハードルを下げているのかもしれない。

国家資格が提出可能で、持っている方はアドバンテージとなる可能性がある。

年齢には比較的寛容なようで、過去に30代以上の合格者も出ている。

基本情報

【大学名】山口大学
【募集人数】10名(地域枠3名)
【出願時期】7月
【筆記試験】9月
【面接】11月
【推薦書】
【TOEFL】×
【TOEIC】×
【科目】学科試験
小論文試験
【その他】面接試験
【注意事項】地域枠は
山口県の
学校卒業が条件

推薦書
1~2枚

国家資格が
提出可

傾向と対策(学科試験)

学科試験

年度実施年小問50問
2018
(H30)
2017
(H29)
生命科学(25問前後)
物理(7問前後)
化学(7問前後)
数学(7問前後)
確率統計(4問前後)
2019
(H31)
2018
(H30)
生命科学(25問前後)
物理(7問前後)
化学(7問前後)
数学(7問前後)
確率統計(4問前後)
2020
(R2)
2019
(H31)
生命科学(25問前後)
物理(7問前後)
化学(7問前後)
数学(7問前後)
確率統計(4問前後)
2021
(R3)
2020
(R2)
生命科学(25問前後)
物理(7問前後)
化学(7問前後)
数学(7問前後)
確率統計(4問前後)
2022
(R4)
2021
(R3)
生命科学(25問前後)
物理(7問前後)
化学(7問前後)
数学(7問前後)
確率統計(4問前後)
2023
(R5)
2022
(R4)
生命科学(25問前後)
物理(7問前後)
化学(7問前後)
数学(7問前後)
確率統計(4問前後)
2024
(R6)
2023
(R5)
生命科学(25問前後)
物理(7問前後)
化学(7問前後)
数学(7問前後)
確率統計(4問前後)
2025
(R7)
2024
(R6)
生命科学(25問前後)
物理(7問前後)
化学(7問前後)
数学(7問前後)
確率統計(4問前後)

時間は90分、すべてマーク式の選択問題である。学科試験の成績上位約100名に対してのみ、小論文試験の採点を行うと募集要項に明記されており、学科試験が足切りにとして利用されるので注意が必要。

各科目ごとの対策方法について下記に記す。

【生命科学の対策】

基礎~応用『当塾のテキスト(記述問題は除く)』
公衆衛生『共用試験CBT・医師国家試験のためのレビューブック 公衆衛生 2025

生命科学は唯一、大学範囲まで出題が及ぶ。TLR5は何を認識するか、DNAウイルスはどれか、C3が関与する補体経路は?など
わりと医学部で学ぶようなマニアックな範囲まで出題され、問題数も多いのでここはしっかりと対策をしたい。

当塾のテキストは上記で習うような医学部で習う範囲も含んでいるので、記述問題は飛ばして、穴埋めや選択肢の問題にぜひ取り組んでもらいたい。
(発生生物学などの高校範囲も出題はされなくはないが、この辺りも当塾のテキストに含んでいる)

一方で、山口大学に特徴的な「公衆衛生」の範囲は別途対策が必要である。
総人口に占める老年人口の割合、国民医療費の総額、死亡理由上位3つなどが過去に出題されている。

問題数は数問なので、わざわざ対策するかは迷うが、志望度が高い受験生は学習しておいても良いかもしれない。
上記の『共用試験CBT・医師国家試験のためのレビューブック』は情報が細か過ぎるので、中学生が現代社会の授業で学びそうだなという内容をピックアップして抑えておけばよい。

【物理の対策】
超基礎『宇宙一わかりやすい高校物理 力学・波動』and『宇宙一わかりやすい高校物理 電磁気・熱・原子
基礎『物理のエッセンス 力学・波動』and『物理のエッセンス 熱・電磁気・原子
※エッセンスが合わなければ、入門問題精講 でもよい。
演習『大学入学共通テスト過去問レビュー 物理基礎・物理

すべて高校範囲かつセンター試験 or 教科書レベルである。
「原子」の単元を含め、幅広い範囲が出題される。

【化学の対策】
基礎『化学 入門問題精講』or『化学 基礎問題精講
演習『大学入学共通テスト過去問レビュー 化学基礎・化学

化学に関しても基本的にはすべて高校範囲かつセンター試験 or 教科書レベルである。
「理論」「無機化学」「有機化学」全て出題されるので、満遍なくやっておくこと。

【確率統計の対策】

基礎『「医療統計」わかりません!!』

過去に、感度/特異度、標準偏差、オッズ比などが出題されており、上記1冊は仕上げておきたい。

【数学の対策】

超基礎『数学Ⅰ・A 入門問題精講』『数学Ⅱ・B 入門問題精講』『数学Ⅲ・C 入門問題精講

基本的な問題が多い。入門問題精講を終えたら、基礎問題精講に進むかは悩ましい(最初から基礎問題精講でもよい)。
行列が出題されるので注意。

最後に過去問を解くことは言うまでもないが、山口大学は過去問を公開していないので、滋賀医科大学、弘前大学、高知大学などの形式が似ている大学の過去問を演習に使用するのがよいだろう。

傾向と対策(小論文試験)

年度実施年大問1大問2
2018
(H30)
2017
(H29)
Avoiding Common ICU ErrorsThe T-Cell Army
The New Yorker 2012
2019
(H31)
2018
(H30)
Rediscovering the First Miracle Drug
The New York Times 2010
Learning Is a Learned Behavior. Here’s How to Get Better at It.
by Ulrich Boser
Harvard Business Review 2018
2020
(R2)
2019
(H31)
Your Medical Mind: How to Decide What Is Right for YouSocial media, screen time, and young people's mental health
Lancet. 2019 Feb 16;393(10172):611.
2021
(R3)
2020
(R2)
How Social Isolation Is Killing Us
The New York Times 2016
In the Battle Against Coronavirus, Humanity Lacks Leadership
TIME 2020
2022
(R4)
2021
(R3)
Infectious disease: tough choices to reduce Ebola transmission
Nature. 2014 Nov 13;515(7526):192-4.
‘Minimal’ cell raises stakes in race to harness synthetic life
Nature. 2016 Mar 31;531(7596):557-8.
2023
(R5)
2022
(R4)
Does the human lifespan have a limit?
Nature. 2022 Jan;601(7893):S2-S4.
Reconceptualizing How to Support Surrogates Making Medical Decisions for Critically Ill Patients
JAMA. 2021 Jun 1;325(21):2147-2148.
2024
(R6)
2023
(R5)
2025
(R7)
2024
(R6)

時間は2時間30分で、例年大問は2題である。

各大問に設問が3~5問ずつあり、問われる内容は『根拠を明らかにし、筆者の意見を述べよ』『筆者の考えに沿ってあなたの意見を述べよ』『あなたの考えを述べよ』などの形式が目立つ。

100~300字程度で記載を求められる場合が多く、記述量が多い。故に記述の対策が必要となる。

具体的な対策方法として、過去の出典を見ると

The New York Times
Nature

の2つの記事が演習を積むのに適していると考える。特に医療関係や生物系の記事に絞った内容を選んで読みすすめることを推奨する。
読んでいて分からない単語は当然、意味を調べ、自分なりの単語帳を作成してもらいたい。

最大300字程度で記載を要求されるので、日ごろから読んだ記事を300字程度で要約するのがよい演習になるだろう。

要約の他にも、英文を読んで『筆者の意見に賛成か反対か』『これらの新しい発見が今後、医療にどう応用できるか』など自分なりに小論文のテーマを設定し、200~300字程度で回答を作成してみるのもおススメである。

面接

面接官は3名と一般的だが、面接を3回実施するのが特徴である。1回目と2回目は5~7分、3回目は15~18分ほどと大きく異なる。

1回目と2回目は他の大学と同様、個人に関しての質問が多い。一方で、3回目に関してはグラフや写真を見て、それに関する考察や問題点などを答える形式となっており、面接というよりは口頭試問である。医学と全く関連のないお題も多い。

1回目と2回目は対策のしようがあるが、3回目に関しては出題傾向が非常にバラバラであるため基本的にはどうしようもできない。ある意味、その場でのとっさのアドリブ力や地頭を見られるような試験である。

できることがあるとすれば、日ごろから生命科学を勉強する際に記述形式の問題を口頭で答えるクセをつけておくことであろう。紙に書くのと、言葉にするのでは大きな差があるので、別途練習が必要である。そのため、当塾では毎回の授業で口頭試問を行うようにしている。

過去に実際された質問内容に関して下記に載せる

【1回目と2回目の面接】
・なぜ山口大学か
・なぜいまから医学部か
・他の医療職ではだめなのか
・臨床か研究か
・何科に興味があるか
・現在どのような仕事をしているか
・将来のキャリアプランについて(65歳まで)
・山口県にのこるか
・これから医師として具体的にやりたいこと、プランは
・それをするにあたって自分の背景をどのように活かすか
・あなたの強みや、医師として活かせることは
・誰にも負けないこと
・これまで対人関係で苦労したことはあるか、それをどう解決したか
・医師の仕事として大変なところはどこだと思うか
・医師に自分は向いていると思うか
・編入試験は、医師はいつから志しているか
・併願校と結果について、他に合格したらどうするか
・家族には受験することを相談しているか、協力的か
・一般入試は考えなかったか
・どの科目を重点的に対策したか
・学士編入という制度をどのように考えているか
・現役生にどのような影響を与えられるか
・山口県の医療問題はなにか
・それらを解決するためにはどうすればよいか
・医師の偏在や医師不足はどう解消できるか
・リーダーシップを発揮した経験はあるか
・失敗経験とそれから得られた学びは
・医師にとって大事なことは何か
・AIの発展に伴い、医師の働き方はどうなるか
・働き方改革についてどう思うか。
・体力に問題ないか

【3回目の面接】
問題用紙(グラフや絵が記載されている)が渡され、数分間読む時間が与えられたのち、質問に回答する形式。
問題が複数ある場合もある。

・山口大学の自己開発コースで具体的に何をやりたいか、理論的に答えよ。

・山口大学の全学部を含む一年生100人に講義をするならどのような講義をするか。

・美術部の教授が描いた絵をみせられ、感想とストーリーを簡潔に作れ。

・毛色の異なる6匹のマウスの写真を見せられる。この6匹のマウスはゲノムが同じであるが、表現型に違いがでるのはなぜか。またそのような試験動物を作成するにはどのようにすればよいか。

・mRNAワクチンはどのような仕組みでワクチンとして機能しているかを説明せよ。

・心不全の時間経過と運動機能に関するグラフをみせられる。心不全は治るか、このグラフから何が言えるか、症状を緩和するにはどうすべきか。

・健康寿命と平均寿命のグラフを見せられる。2つのグラフはなぜこのように推移するのか、また、健康寿命を延ばすにはどうすればよいか。

・神経系に作用する薬剤を知る限り答えよ。

面接対策

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