香川大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。
人気と倍率
倍率は過去数年間の平均で約17倍前後であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、大差はない。
推薦書が不要な点が倍率を上昇させる一方、物理化学を大学範囲まで学習しなければならないため、この倍率に落ち着いていると考えられる。
正規合格を狙うかどうかにもよるが、英語はTOEIC800~900点、自然科学総合問題は5~6割が目安となり、1次試験全体を通して6割~6割5分前後が目安となる。2次試験の面接は7~8割程度となるだろう。
面接は得点を取ろうと思って取れるものでもないので、やはり筆記試験の点数が重要となる。
例年、理系出身者からの合格者が多く、大学で物理や化学を専攻していた学生はやはり強い。自身の適性や背景を踏まえて、目標得点のバランスやそもそも志望校とすべきかどうかを判断してもらいたい。
また、科目的な相性から大阪大学や北海道大学などの受験生の滑り止めとされるケースが多く、正規合格はこれらの大学の受験生が多く占める。故に、正規枠を狙うとしたら非常に高い難易度となるため、第一志望にするにはなかなか勇気のいる大学となっている。
繰り上げは毎年5人前後でているので、繰り上げ狙いで受験するのも当然1つの手である。
過去問に関しては過去1年分大学のHPで閲覧可能なので、受験を考えている方は一度閲覧することを勧める。HPはこちらから。
当塾の生徒には過去問を7年分以上お渡しすることが可能である。
基本情報
【大学名】 | 香川大学 |
【募集人数】 | 5名 |
【出願時期】 | 5月 |
【筆記試験】 | 6月 |
【面接】 | 7月 |
【推薦書】 | × |
【TOEFL】 | × |
【TOEIC】 | 600 |
【科目】 | TOEIC(150点) 自然科学総合問題 (300点 物理、化学、生命科学) |
【その他】 | 面接(100点) |
【注意事項】 | 1次合格後 自己推薦書と研究課題を提出 |
傾向と対策(自然科学総合問題)
年度 | 実施年 | 問題1 | 問題2 | 問題3 |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 電磁気学(高校) 熱力学(大学) | 有機化学(大学) 化学熱力学(大学) | 分子細胞生物学 |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 力学(大学) 熱力学(大学) | 化学熱力学(大学) 理論化学(高校) 有機化学(大学) | 分子細胞生物学 |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 電磁気学(高校) 熱力学(大学) | 理論化学(高校) 有機化学(大学) | 分子細胞生物学 生理学 |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 力学(大学) 熱力学(大学) | 理論化学(高校) 化学熱力学(大学) 有機化学(大学) | 分子細胞生物学 発生生物学 免疫学 |
2022 (R4) | 2021 (R3) | 電磁気学(大学) 熱力学(大学) | 理論化学(高校) 化学熱力学(大学) 有機化学(大学) | 分子細胞生物学 免疫学 発生生物学 生理学 |
2023 (R5) | 2022 (R4) | 熱力学 (高校~大学) | 理論化学(高校) 化学熱力学(大学) 有機化学(大学) | 遺伝学 発生生物学 免疫学 生理学 |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 力学(大学) 熱力学(高校) | 化学熱力学(大学) 理論化学(高校) 有機化学(大学) | 分子細胞生物学 生化学 |
2025 (R7) | 2024 (R6) | 電磁気学(大学) 熱力学(大学) | 化学熱力学(高校) 理論化学(高校) 有機化学(大学) | 分子細胞生物学 |
例年、大門は3題。物理学、化学、生命科学の順で出題される。時間は2時間半と非常に長い。得点の目安は5~6割となる。
【物理】
力学、熱力学、電磁気が頻出で、香川大学単願であれば、波動を対策する必要はない。高校範囲から出題されることもあるので、高校物理の参考書から始めてもよいだろう。これらは大阪大学と大きく異なる点である。
高校範囲
・基礎『物理のエッセンス 力学・波動』『物理のエッセンス 熱・電磁気・原子』(力学、熱、電磁気の範囲のみでよい)
※エッセンスが合わなければ、入門問題精講でも可。
・標準『ひとりで学べる秘伝の物理問題集』or『良問の風』(力学、熱、電磁気の範囲のみでよい)
大学範囲
・『スバラシク力がつくと評判の 力学キャンパス・ゼミ 』
・『スバラシク力がつくと評判の 熱力学キャンパス・ゼミ 』
・『スバラシク力がつくと評判の 電磁気学キャンパス・ゼミ』
最初からマセマに手を付けるのが難しいと感じる場合は、少し初学者向けの『単位が取れる』シリーズや『マセマ 初めから学べる』シリーズから手を付けてもよいだろう。
また、YouTubeチャンネルである 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」 で無料で簡単に授業動画が閲覧できるので、躓いた単元で視聴してみるのもおススメである。はじめから一通り全部視聴してしまっても良いかもしれない。
最後に、化学と物理に共通して言えることであるが、年度によっては奇問や難問が出題される。これらを本番中に見極め、いかに典型的な問題を取りこぼさないかが合格するうえで重要となってくる。故に、満点は狙わず、点数をかき集めるくらいの覚悟で挑んてもらいたい。
【化学】
理論化学は高校範囲、有機化学と化学熱力学は大学範囲となる。無機化学の範囲の出題がないので対策は必要ない。
理論化学(高校範囲):
・基礎『化学 入門問題精講』or『化学 基礎問題精講』(理論化学のみでよい)
・標準『化学 標準問題精講』or『実戦 化学重要問題集』(理論化学のみでよい)
併願校にもよるが、香川大学だけであれば高校範囲は理論化学のみ実施し、無機化学と有機化学を実施する必要はない(例外的に、糖やアミノ酸などの生体高分子は触れてもよいだろう)。
有機化学(大学範囲):
・基礎『単位が取れる有機化学ノート』
・標準『有機化学演習 基本から大学院入試まで』
『ボルハルト・ショアー現代有機化学』や『マクマリー有機化学』などの分厚い教科書を一読してもよいが、香川大学の問題であれば反応を丸暗記してしまってもある程度対応はできる。
化学熱力学(大学範囲):
・演習で学ぶ 化学熱力学 基本の理解から大学院入試まで
【生命科学】
・『当塾の生命科学のテキスト』
基本は当塾を含めた予備校のテキストで学習するのがベストである。
数年前までは分子細胞生物学のみである程度対応できたが、近年は生理学や免疫学など幅広い単元からの出題がある。難易度はやや難といったところ。見慣れない分子名やたんぱく質名が出てきても問題文をよく読めば解けるので、冷静に対応できるようにしたい。
面接
試験官は例年4名、時間は15分程度と一般的である。恐らく、どの面接官に当たるかによって、質問が変わってくるので、ひとまず下記の質問に滞りなく答えられるようにしておけば特に問題はないように思える。
・なぜ医学部か
・なぜ香川大学か
・他の受験校は
・受験校に一貫性がないがなぜか
・なぜ編入か
・なぜ高校時代に目指さなかったのか
・再受験は考えているか
・今年ダメだった場合はどうするか
・将来志望する科はあるか、その理由は
・香川に残るか
・香川の地域医療の問題点は、その解決策は
・臨床か研究か
・その科でどのような医師になりたいか
・これまでの専門をどう活かすか
・どのようなキャリアを描いているか
・一般入試で入学する生徒とはどう違うか
・強みや弱み
・研究経験はあるか?どのような研究をしたいか?
・研究での困難は?それをどう乗り切ったか
・研究は続けなくてよいか
・今後一番学びたいことは
・どのような仕事をしていたか
・大学の専門と仕事内容が解離している理由
・意見が合わない上司や同僚とどう接していたか
・仕事での苦労やトラブルをどのように対処してきたか
・リーダーシップをとるほうか
・長所や短所は
・手先の器用さや体力に自信はあるか
・金銭面は問題ないか、親の協力は得られるか
あまり特殊な質問はないように感じる。恐らく大きな差はつかないので、筆記試験の点数が合否の要となるだろう。
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