島根大学 医学部学士編入試験 傾向と対策のページとなります。
受験を考えられている方、ぜひご活用ください。
人気と倍率
倍率は過去数年間の平均で約9倍であり、
医学部編入試験全体平均の19倍と比較して、低い。
大学の立地や、英語の外部試験が必要で大学範囲の化学が出題される点、推薦書が必要なことなどが倍率を下げている要因であろう。
また、医学部学士編入試験で唯一、3年次編入を続けている大学であるが、3年次編入の出願には歯科医師,獣医師,薬剤師免許のいずれかが必要であるため、倍率は必然的に下がっている。
2年次/3年次編入、計10人の枠のうち、4名が地域枠であることも、注意が必要である。島根県内の高等学校又は高等専門学校卒業者でなければ地域枠は利用できない。
過去問に関しては過去3年分がHPにて閲覧可能。詳細はこちらから。解答まで公式で公開しているが、解説は簡素である。さらに、英語はぼかしが入っており、参考にならないので、下記の「傾向と対策」の出典を確認してもらいたい。クリックすると引用もとの英文に飛ぶようになっている。
2022年度入試は新型コロナウイルスの影響で試験は実施されなかった。その後、2023年度入試からは物理学の出題が廃止となり、英語の大問数も少なくなっている。
基本情報
【大学名】 | 島根大学 |
【募集人数】 | 2年次、3年次 各5名(うち地域枠2名) 計10名 |
【出願時期】 | 7月 |
【筆記試験】 | 8月 |
【面接】 | 9月 |
【推薦書】 | 〇 |
【TOEFL】 | × |
【TOEIC】 | 600 |
【科目】 | 英語 自然科学総合問題 (有機化学/生命科学) |
【その他】 | 面接 |
【注意事項】 | 2年 or3年次 編入 3年次編入は 歯科医師 獣医師 薬剤師免許 |
傾向と対策(英語)
英語
年々、試験時間は減り現在は60分の試験となっている。それに伴い大問の数も減少し、現状は長文読解1題、英作文1題の構成である。
英作文の採点基準が不透明であるが、1次通過は6~7割程度か。大問2題のうち1題が英作文ということで、当然ウェイトも大きく、慣れていないと時間が足りないので対策は必須である。長文読解35~40分、英作文20~25分くらいの時間配分になるか。
【長文読解の対策】
出典はバラバラだが、専門性が極めて高いわけではなく、そこまで難易度は高くない。故に、他の大学の英語を対策しておけば、読解に関しては問題ないだろう。
一方で、編入試験には珍しく単語、並び替え、穴埋め、抜き出し、和訳、T/Fなどの一般入試のような問題も多い。題材が医療系に極端に寄っているような印象を受けないので、まずは『TOEFLテスト英単語3800』などの一般的な単語帳を一冊仕上げるとよいだろう。
演習に関しては悩ましいが、『島根大学の一般入試の過去問』や『医科歯科大学の一般入試の過去問』は構成や問題などが似ているので、まずは解いてみることを勧める。その中で弱点が見つかり、並び替えや和訳などの単元ごとで心配な範囲があれば、そのあたりを補強するのも一つである。
このあたりの文法系の対策に時間をかけるのは、編入試験において、あまりおススメできないが、島根大学の志望度が高い受験生はしっかり対策すること。
【英作文の対策】
英作文の対策としては、TOEFL iBTのライティングセクションの演習がよい対策となる。2023年より、TOEFL iBTのライティングはIntegrated taskとAcademic Discussion taskで構成されており、設問に対する自分の意見を聞かれる島根大学ではAcademic Discussion taskの演習が非常に有効である。(Integrated taskも十分によい演習にはなる)。
TOEFL iBTも島根大学も指定の語数が100語以上ということで、この辺りも対策としては適している。
TOEFL iBTではAcademic Discussion taskの採点基準を明示しており、『ディスカッションへの貢献が適切かつ明確、さまざまな構文を効果的に使用している。語彙的 / 文法的な誤りがほとんどない。』ことが高得点の条件である。島根大学が同じような採点基準を設けているかは定かではないが、目標とする作文の基準となるだろう。
英作文は「型」を覚えてしまえば、50語くらいはどのような課題であっても共通して埋めることが出来るので、100~150語ほどの試験では「型」を覚えることが必須である。残りの語数は、「自分の意見」や、「想定される反論」などで埋める。(当塾の生徒には英作文の添削も実施しております。)
英作文でおススメの参考書は下記の3冊
・『TOEFLテストライティング問題100』
・『TOEFL iBT Writing Academic Discussion 7日間トレーニング』
・『TOEFLテスト集中攻略ライティング』
1冊だけでも良いし、3冊とも実施してもよい。そのあとに、過去問演習に取り組むこと。
上記の参考書でライティングがさっぱりできないという方は、その前に『TOEFL iBTテスト必修フレーズ100』のような参考書を用いて、100個くらい自分の中で英文の例をストックしておくことを勧める。100個を自由に使いこなせるようになり、「型」を覚えれば合格点に届くような英作文は記載できるであろう。
ここまで対策したら、最後は英語力というより日本語力になる。自分の主張を裏付ける論理的な理由が思いつくか、難しい日本語を記載しやすい平易な英語に置き換えられるか、このあたりで英作文は点数が変わる。
傾向と対策(自然科学総合問題)
自然科学総合問題
年度 | 実施年 | 大問1 | 大問2 | 大問3 | 大問4 |
2018 (H30) | 2017 (H29) | 物理学 | 有機化学 | 生化学 | 免疫学 |
2019 (H31) | 2018 (H30) | 物理学 | 有機化学 | 生理学 分子細胞生物学 | 分子細胞生物学 |
2020 (R2) | 2019 (H31) | 物理学 | 有機化学 | 生理学 | 免疫学 分子細胞生物学 |
2021 (R3) | 2020 (R2) | 物理学 | 有機化学 | 生理学 | 免疫学 |
2022 (R4) | 2021 (R3) | 試験実施なし | |||
2023 (R5) | 2022 (R4) | 有機化学 | 生化学 | 分子細胞生物学 (実験考察) | |
2024 (R6) | 2023 (R5) | 有機化学 | 分子細胞生物学 (実験考察) | 分子細胞生物学 | |
2025 (R7) | 2024 (R6) |
2021年度入試までは物理の出題がされていたが、現在は廃止されている。よって、主に大学範囲の化学と生命科学が試験科目となる。
よって、薬学部の学生は非常に有利となる。薬剤師免許を取得していれば3年次編入できる点も踏まえると、薬学部出身の受験生には島根大学を強くすすめる。
有機化学が毎年出題されるため、対策には『有機化学演習 基本から大学院入試まで』がおススメであるが、解説が簡素であるので、大学範囲の有機化学をしっかり一から理解したいという受験生は『ボルハルト・ショアー現代有機化学(第8版)上』や『マクマリー有機化学 上』などの教科書を読みながら『有機化学演習』を解き進めることをすすめる。※分厚いので注意。大学時代使っていた教科書があるならそれでもよい。
上記のように2冊使うのに抵抗がある、分厚い教科書は使いたくないという方は『単位が取れる 有機化学ノート』でも少し物足りないが、対策可能のように思えるので検討してもらいたい。
また、『化学 重要問題集』などの高校範囲の参考書を用いて、糖、脂質、アミノ酸あたりの範囲は追加で対策しておくことを勧める。物理が廃止されてから、意外とこの辺りが出題されている。
生命科学に関しては、割と満遍なく幅広い分野が出題されている。見慣れない問題や記述も多く、とっつきにくい問題があるので、解ける問題を確実に解けるように演習を積んでおきたい。当塾の生命科学のテキストが完璧になっていたら特に問題はない。
面接
面接官は4名、時間は20分。この面接を2回繰り返す。
1回目は一般的な面接で、2回目はグラフや図の読解をさせられるようである。
面接をかなり重要視する大学で、非常に深堀されるので注意が必要。
面接の開始前に『面接調査票』というものを記載する時間があったが、現在も実施されているかは不明。
問われる内容は毎年同じようである。記載時間が短いので、あらかじめ用意しておくこと。
【面接調査票】
・部活の入賞歴など、勉強以外に得意なこと
・どんな医師を希望するか、特に勤務地は?
・自分の性格について自己評価と他者評価に分けて
・コミュニケーション能力を向上させるために心がけていることなど
それぞれ150字前後で記載する。
【1回目の面接】
質疑応答に関しては下記のようなものがある。
・筆記試験はどうだったか
・高校卒業から今に至るまでの経緯
・医師を志望する理由は
・なぜ島根大学か
・ほかに併願しているか
・島根県に残る気はあるか
・何科に興味があるか
・その科の島根県における現状は
・現在の仕事について
・その経歴をどのように活かすか
・編入試験は、医師はいつから志しているか
・なぜ今の仕事から医師の道を考えたか
・これから医師として具体的にやりたいこと、プランは
・志望動機などについて
・研究内容について
・島根県に来たことはあるか
・島根県の印象は
・島根県の人口は
・島根県の出生率は
・島根県の医療圏はどのように分かれているか
・島根県の医療問題は、それにあなたは何ができるか
・島根県で有名なものは
・島根県の湖は
・島根県のどこで働きたいか
・島根県に残るといっていた同級生が違う県に就職を希望していたらどうするか
・島根大学のHPで印象に残ってることは
・島根大学の求める人物像は
島根県をどれだけ知っているか、島根大学の志望度がどれだけ高いかを評価される。一貫した傾向はなく、面接対策が非常に重要。
【2回目の面接】
グラフや図を見て考察をする。その考察を検証するために、どのようなことを実施すべきかを答える。
例えば、死因別にみた死亡数・死亡率の年次推移のグラフを見て、なぜ、20○○年で悪性新生物の死亡率が減少しているか、仮説を立て検証方法を考える。
基本的には対策はできない。強いてあげるのであれば、公衆衛生系のグラフや表を眺めて、なぜこの年はこうなのに、この年から急激に変化しているのだろうと考え、調べるくらいか。
例えば、沖縄県民の疾病構造の変化は30年間で急激に変化しており、2型糖尿病・肥満症・慢性腎臓病・心血管病が急増している。
理由は米軍基地の設置に伴う、食の欧米化が原因である。いわれてみたら納得できるが、なかなか本番で思いつくかは運にもよるだろう。
面接対策
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1回目の面接対策がメインですが、2回目の面接にも簡単に触れます。